2025.01.13

LIFESTYLE

20代のトランプは、実は自信がない“ナイーブなお坊ちゃん”だった!? 映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』が描く世界に君臨するカリスマの若き日の物語

若き日のトランプを演じたのは、『アベンジャーズ』シリーズでも知られるセバスチャン・スタン。

全ての画像を見る
アメリカ大統領選挙で歴史的なカムバックを成し遂げたドナルド・トランプ。世界に君臨するカリスマは、どのようにして生まれたのか?

好き嫌いはともかく、アメリカの今を体現する人物といえばドナルド・トランプといって間違いないだろう。11月の大統領選挙では激戦7州すべてを制し、総得票数でもカマラ・ハリスを上回って圧勝。そのきわどい言動などで何度も起訴されながら、大統領に返り咲くという歴史的な離れ業を実現させたのだ。



だがこの常人には計り知れない、型破りな人物はどのようにして生まれたのか? 映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』が描くのは、そんな疑問に答える、次期大統領の若き日の物語である。

時代は1973年。父親の不動産事業を引き継いた20代のトランプは、物件の入居審査で人種差別をしているとして、司法省から訴えられていた。その窮地を救ったのは辣腕でありながら、手段を選ばない手口で悪名高い大物弁護士のロイ・コーン。トランプに弁護を依頼された彼は裏の手口を使って裁判を勝利へと導く。その日よりトランプを財界の“大物”に仕立てるためのコーンの教育が始まった。

若き日のドナルド・トランプに変貌するため毎朝、2時間のメイクを施されたのは『アベンジャーズ』シリーズでも知られるセバスチャン・スタン。


本作の脚本を手掛けたのは、かつてトランプにインタビューしたこともある政治ジャーナリストのガブリエル・シャーマン。トランプの幼少期を知る人物や、コーンの法律事務所の元社員など、徹底したリサーチを行い、この脚本を書きあげたという。

20代のトランプは野心家ではあるものの、どこか自信がない“ナイーブなお坊ちゃん”だった。それを変えたのがコーンの3つの教え。(1)とにかく攻撃、攻撃、攻撃。(2)非を絶対に認めるな。(3)どんなに劣勢に立たされても負けを認めるな。まさに我々が知る、現在のトランプの姿がこの教えの中に含まれている。

10月の全米公開にあたってはトランプの選挙チームが上映阻止に動いたという本作。どこまでが事実なのかは分からないが、かつて反共主義者としてその名を成し、ニクソンとも親交を結んでいたロイ・コーンという人物が、トランプの人生に深く関わっていたのは確かだろう。

ちなみにタイトルにある“アプレンティス”とは“見習い”の意。やがてこの見習いが師をも凌駕し、とてつもないカリスマへと変貌していく姿が、興味深くも恐ろしくもある。

文=永野正雄(ENGINE編集部)


123分。2025年1月17日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開 配給:キノフィルムズ


(ENGINE 2025年2・3月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement