2025.01.23

CARS

BYDの次なる一手はテスラ・モデルY対抗のSUV さらに今後ハイブリッドの導入も行われる予定

BYDの東京オートサロン2025の目玉となったのは、アット3、ドルフィン、シールに続く第4のモデル、「シーライオン7」だった。

大きなスペースを構えたBYD

例年の東京オートサロンでは、国産の最大手メーカーとそのグループ企業が占めるスペースに、2025年は輸入車メーカーたちが並んでいた。近づいて行くと、手前にヒョンデのブースが見えてきて、その向いにはロータスが展示されている。ともに日本市場において電気自動車に注力するブランドだ。ロータスの隣にはフォルクスワーゲンの姿も見える。そしてその奥の最も広いスペースで存在感を強く出していたのが中国のBYDである。



SUVタイプのEV

この広い空間を活かし、BYDは電気自動車の現行ラインナップや限定車だけでなく、電池に対する一般的な不安を解消しようと、リン酸鉄のブレード型バッテリーや、車両に用いられる「 e-Platform 3.0」という名のプラットフォームなど、技術展示も数多く行っていた。

だが、やはり注目は新しいSUVタイプのEVとなるシーライオン7だろう。



デザインの指揮は欧州の名デザイナー

デザインを指揮したのはヴォルフガング・エッガー氏。そう、アルファ・ロメオ8Cコンペティツィオーネをはじめ、アウディやランボルギーニで筆を振るった彼が、現在のBYDデザインを牽引しているのだ。

このシーライオン7は中国で2023年11月に発表。彼の地では「シーライン07 EV」を名乗っている。「テスラ・モデルY」をベンチマークとして開発されており、展示車両の車体サイズは全長×全幅×全高=4830×1925mm×1620mm。 前後2モーターの4輪駆動車で、軸間の床下に82.56kWhのリン酸鉄リチウム・イオン・バッテリーを搭載。車両重量は2615kgとなる。



システム出力は530ps

シーライン07 EVはバッテリー容量や後輪駆動など様々なバリエーションがあるが、今回展示された仕様の2つのモーターはそれぞれ、前軸側がかご形三相誘導モーターで最高出力は217ps(160kW)/最大トルク310Nm、後軸側は永久磁石同期モーターで最高出力313ps(230kW)/最大トルク380Nmで、システム出力は530ps(390kW)を発揮。中国市場で販売されている今回の展示車両と同一スペックのモデルであれば、0-100km/h加速は4.2秒をマークするという。

前後245/45R20のサイズを採用したタイヤは、ミシュランがスポーツ・タイプの電気自動車やハイブリッド車向けに供給している「パイロット・スポーツEV」を装着していた。サスペンションは前ダブルウィッシュボーン式、後マルチリンク式となっている。



発売は2025年春

内装などについては撮影時以外、基本的に一般には公開されなかったが、すでに右ハンドル仕様となっていた。中国市場向けには数多くの超音波センサーやレーダー、カメラを用いた先進安全運転システムを装備する。

現時点では日本仕様に関する詳細などは明らかにされていないが、2025年春には発売を予定。また、加えて2025年中にはこれまでのように電気自動車だけでなく、プラグイン・ハイブリッド車両の投入も予定しているという。

BYDの勢いは、ますます増している。現行の電気自動車のような価格設定で、航続距離に対する不安が解消されるプラグイン・ハイブリッド車を上陸させるとなると、日本国内の自動車販売の勢力図に動きがあるのは間違いないだろう。



文=上田純一郎(ENGINE編集部)  写真=宮門秀行、上田純一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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