2025年1月30日、かねてよりウワサのあった話題のスズキ・ジムニーの5ドア・バージョン、「ジムニー・ノマド」の発表会が東京・新宿にて開催された。
故鈴木修氏の誕生日に発表ジムニーは昨年12月に亡くなった先代社長の鈴木修氏が常務取締役だった1970年に、ホープ自動車よりその製造権を買取り、1970年に販売を開始した軽自動車のジープ・スタイルを持つ4輪駆動モデルが初代となる。奇しくも発表日となった1月30日は故鈴木修氏の誕生日であることが、冒頭挨拶した鈴木俊宏現社長より紹介された。
初代エスクードから名前を継承1970年に発表されたジムニーは軽自動車規格に収まるモデルであり、ドア数も3ドア（リヤハッチ含む）のみであった。1977年には小型車規格となる800ccの「ジムニー8」を追加。小型車規格のジムニーは、1982年に1000ccの「ジムニー1000」、1984年には排気量が1300ccとなり「ジムニー1300」、「ジムニー1300シエラ」、「ジムニー・ワイド」、「ジムニー・シエラ」と車名を変更しながら現在に至る。
いずれのモデルもドア数は3ドアだったが、今回はジムニーの歴史上初めてとなる5ドアが追加された。ちなみに、ノマドは初代「スズキ・エスクード」の5ドア・モデルに用いられていた名称だ。
ホイールベースと全長を340mm延長現行のジムニー・シエラに対してホイールベースと全長を340mm延長するとともに5ドア化。ジムニー伝統のラダー・フレームも延長され、補強のためセンター部分にクロス・メンバー、その前方にX型メンバーの追加している。
エクステリアで最も変化を感じるのはサイド・ビューで、ジムニー・シエラがフロント・ドア・ウインドウとリア・サイド・ウインドウで構成されるのに対し、ジムニー・ノマドはフロント・ウインドウとリア・ウインドウ、リア・クォーター・ウインドウの6ライト・デザインとなっている部分。フロントまわりではジムニーの特徴である5スロットのグリルにガンメタ・メッキと塗装、さらにメッキ縁取りが行われたところが特徴的だ。
シエラと同じ1.5リッター搭載されるエンジンは現行のジムニー・シエラと同一のK15B型直列4気筒で最高出力は102ps/6000rpm、最大トルクは130Nm/4000rpmとなる。トランスミッションは5段MTと4段ATの2種用意されるも変わらない。駆動方式はもちろんパートタイム4WD（後輪駆動の2WDと4輪駆動の切替が可能）で、最小回転半径はジムニー・シエラの4.9mに対して5.7mと大きくなる。
安全性能も強化された。衝突被害軽減ブレーキはジムニー・シエラでは、主センサーはカメラとレーダーを使ったものであったが、ジムニー・ノマドではデュアルカメラ式となり夜間の歩行者も検知するようになった。また、ジムニー・シエラでは採用されていなかった後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能、アダプティブ・クルーズコントロール（ACC）、一時停止標識の認識機能などにも対応している（AT車のみ）。
後席は広さと快適性ともにアップホイールベースを伸ばしたことでリア・シートを車軸上から前方に移動し、厚みを持たせることで快適な座り心地を確保。1ノッチながらリクライニングも可能とした。ラゲッジスペースには荷物が滑りにくいカーペットを使用し、リア・シートの背もたれは50：50分割で前倒しが可能となる。前倒し時はラゲッジルームに段差が生じるが、ディーラー・オプションのラゲッジボックスを利用することでフラット化できる。
ボディ・カラーは計6色。ルーフがブラックとなる2トーン・ルーフ仕様として「シズリングレッドメタリック・ブラック2トーン・ルーフ」と「シフォンアイボリーパールメタリック・ブラック2トーン・ルーフ」の2色を設定。単色のモノトーン仕様には、「セレスティアルブルーパールメタリック」、「ジャングルグリーン」、「アークティックホワイトパール」、「ブルーイッシュブラックパール」の4色をラインアップする。
価格は5段MTモデルが265万1000円、4段ATモデルが275万円。オプションのアークティックホワイトパール塗装車は3万3000円高、ブラック2トーン・ルーフ仕様車は5万5000円高となる。発売は2025年4月3日。なお、生産国はフロンクス同様、インドとなる。
文、写真＝諸星陽一
(ENGINE WEBオリジナル)
