2025.03.02

CARS

おもてなし性能よりも、人と物を積んで遠くまで走る機能性を重視 フェイスリフトで凛々しくなったフィアット・ドブロに高平高輝が試乗

フィアット・ドブロは、基本的な機能性を重視したコンセプトがポイント!

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ヨーロッパ車然とした乗り味

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ルノー・カングーの1.5リッター直4ディーゼル・ターボ(デュアルクラッチ式7段自動MT)よりも若干パワフルなことがドブロ(とその兄弟)の特長で、しかもこちらは8段ATを搭載しており、街中でも高速道路でも不足ない、なかなか力強い走りっぷりだ。

その代わりというわけではないが、決して静かなクルマではない。それでも走っているうちに気にならなくなる音質というか、慣れてしまうタイプのノイズである。街中では静かでも高速に上がると途端に耳障りになる、というような落差の大きいクルマよりも、いつも何となくザワザワしているが、走り方によって大きく変動しないほうが慣れて気にならなくなるといった好例である。



乗り心地もこの種のミニバンとしては洗練されているほうだろう。しなやかとまではいえないが、積載量が増えてもまったく危なげないと感じさせる、しっかりした接地感とフラットライド、そしてスタビリティが頼もしい。

ハンドリングも同様、多少振り回しても踏ん張りが利いた脚まわりはまるで不安感なく、接地感をリニアに伝えてくれる。伝統的なヨーロッパ車然とした、と言えばいかにも紋切り型だが、実際それほどタフで安定感あふれるシャシーといえる。

痒いところに手が届くような日本製ミニバンの“おもてなし性能”よりも、人と物を積んで遠くまで走る基本的な機能性を重視する人には間違いなく魅力的な一台である。

文=高平高輝 写真=茂呂幸正

(ENGINE2025年4月号)

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