2025.03.19

CARS

EVでもキャデラックらしさは健在 キャデラック初のEVとなるリリックの日本導入を開始

GMジャパンは、120年の歴史のなかでキャデラック初の電気自動車=バッテリーEV(BEV)となる「リリック」の日本導入を発表した。GMジャパンとしてもBEVを導入するのは今回が初めてだ。

航続距離は510km

プレミアムSUVに属するリリックは、全長×全幅×全高=4995×1985×1640mmのボディ・サイズで、ホイールベースは3085mmとかなり長い。プラットフォームはBEV専用で、モーターを前後に1つずつ配置する4WD方式となる。システム総合出力は約522ps/610Nmを発生する。バッテリーはホイールベースの間の床一面に搭載。バッテリー容量は95.7kWhで航続距離は510kmだ。



EVらしさを強調

エクステリアでは、フロント・マスクに最近のキャデラックの特徴でもある縦型のLED式ヘッドライトを採用。グッとワイドなデザインで、メッシュ・グリルかと思わせるトライアングル・パターンのグリルレス・パネルを備え、EVらしさを強調している。そのセンターには、クリアタイプのキャディラック・クレスト(エンブレム)を装着している。

リア・デザインはなんとキャデラック往年の名車である1967年型「エルドラド」をオマージュとしてデザインしたというテールライトを採用。最新のBEVであるリリックのなかに古き良き時代のキャデラックのテイストを盛り込んでいる。



インパネのディスプレイは33インチ

クラストップレベルのサイズを持つ電動シェード付きガラスサンルーフを装備。天井から差し込む光でインテリアを演出。コクピットはシンプルでダイナミックなデザインを実現。インパネには33インチのアドバンスド・カラーLEDディスプレイを採用。宙に浮いているようなセンターコンソール、リアルなウッドパネルが特徴的。

湾曲型の33インチ・ディスプレイは機能的に3つのゾーンに区切られている。9Kに匹敵するほどの解像度を持つ。右ハンドル仕様に合わせたレイアウトともに直感的な操作を可能にしている。先進的なインパネでありながらも物理スイッチも多く採用し、実用面での使いやすさも確保されている。



静粛性にも配慮

高い剛性を持つボディは優れた静粛性にも貢献しているという。またあらゆる部分に吸音材や制振材を施し、室内に侵入するノイズを減らしていることも特徴だ。フロントとサイドのガラスは二重ガラスとしたほか、リア・ガラスは5mm厚ガラスを採用。次世代のアクティブ・ノイズキャンセリング・システムはボディの四隅に配置された3軸加速度センサーでタイヤの振動を検知し、キャビン内のマイクセンサーで検知したノイズと合わせて演算しノイズを打ち消している。このシステムに使われるオーディオ機器はAKG製で、全部で19基のスピーカーを装備。オーディオとしては全方位から立体的でナチュラルな音場を形成する。

寒冷地でのドライブにも対応するため、ワイパー・ヒーターを採用。ワイパー格納部で素早く雪や氷を解かしワイパーを機能的に作動させる。フロント・シートはヒーター&ベンチレーション、リア・シートはヒーターを装備。エアコンのヒーターにはバッテリーの余熱を利用するヒートポンプ方式を採用し、効率化を図っている。



車両接近通報音にもこだわる

ADAS(運転支援装置)も抜かりはなく、レーダー&カメラ、超音波センサーにより周囲感知&監視。アダプティブ・クルーズコントロールやレーンキープ・アシストと連動して事故リスクを低減。20km/h以下での走行中に歩行者や自転車に対して発する車両接近通報装置は、長音と完全五度の音を基調にし、オーストラリアの古代楽器であるディジュリドゥを組み合わせたものとすることで、味のある豊かな警告音を開発した。

リリックは右ハンドル仕様で、日本と同じ左側通行右ハンドルとなるオーストラリアとニュージーランドでも日本と同じタイミングで発表された。日本導入にあたってはもちろんCHAdeMO(チャデモ)の急速充電機構が取り付けられている。

価格は1100万円で、2025年5月からの納車を予定している。



文、写真=諸星陽一

(ENGINE WEBオリジナル)

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