2025.04.18

CARS

ギブリでも、メラクでもない、ちょっとレアなマセラティ、インディを貴方は知っているか

2025年4月11日からの3日間で開催されたオートモビル・カウンシル2025。クルマをはじめ、カー用品やグッズ、さらにファッションなど、クルマやクルマ生活にまつわる様々なものが出展される、モーターショーの枠を超えたモーターショーとして人気を博すイベントだ。会場内には旧車のスペシャル・ショップが数多く車両を展示、そして販売もしている。その中から今回は、「マセラティ」の中でもレアなモデルを紹介する。

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マセラティといえば、ボーラとメラク

マセラティといえば「ボーラ」や「メラク」だよね、というスーパーカー・ブーム世代にとって、地味な印象の「インディ」は2軍扱いだったと思う。1971年生まれの筆者のなかでは、主に1960年代に親しまれた「ミストラル」や「ギブリ」、「メキシコ」も2軍で、「デ・トマソ・ロンシャン」がベースだった「キャラミ」が1.5軍、分かりやすいウェッジシェイプのボーラ、メラク、そして「カムシン」が1軍だった。



そのエクステリア・デザインに心酔

そんななか、なんでまたオートモビル・カウンシル2025の会場で2軍扱いのインディに注目したのかというと、久しぶりに実車を見て、あれ、こんなにカッコよかったっけ? と思ったからだ。シルバーというボディ・カラーのせいかもしれないが、ロングノーズのファストバック・スタイルというそのエクステリアに心酔してしまったわけである。

スーパーカー・ブーム全盛時は、ピニンファリーナのレオナルド・フィオラヴァンティ氏やベルトーネのマルチェロ・ガンディーニ氏およびジョルジェット・ジュジャーロ氏がデザインしたエキゾチックカーたちが子どもたちのヒーローだった。



ジョヴァンニ・ミケロッティ氏が描く

インディの個性的なエクステリアはカロッツェリア・ヴィニャーレに所属していたジョヴァンニ・ミケロッティ氏が描いたもので、フロントに搭載された水冷V型8気筒DOHCエンジンの排気量とボディの製作まで担当したカロッツェリアの名を採って「4200ヴィニャーレ・クーペ」とも呼ばれた。

マセラティが1939年と1940年のインディアナポリス500マイルレースを制したことを記念してインディという車名になったが、人によっては4200ヴィニャーレ・クーペの方が馴染み深いのかもしれない。ミュートス・プレステージが展示していたのは1970年式のマセラティ・インディで、会場での税込車両販売価格は2380万円であった。



高速移動が可能な高級車

今回、4人の大人が快適に移動できるインテリアも見せてもらったが、総革張りとなる内装は豪華で、ラグジュアリーなグランドツーリングカーとして使うことを前提とした居住性が確保されていた。助手席側のダッシュボードにまで専用のアナログ時計があったので、そのあたりのディテールからもインディがスーパーカーというよりもハイスピードでの移動が可能な高級車であることを窺い知れた。

リアにある広大なラゲッジスペースも撮らせてもらったが、オリジナルだと思われるトノカバーが現役だったのでビックリしてしまった。取り扱い説明書もあり、シートのヤレ具も自然だったので、現車は往時の雰囲気を色濃く残した稀少車だといえるのかもしれない。

取材の最後にミュートス・プレステージのスタッフに話を伺ったら、内外装は2018年に日本に入れたときのままとのことだったので、ずっとイイ状態を保ったまま維持されてきたのであろう。



文・写真=高桑秀典

(ENGINE WEBオリジナル)
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