2025.04.19

CARS

サーキット狼といえばやはりロータス・ヨーロッパ スペシャルもいいけど、S2も味わい深い

オートモビル・カウンシル2025は旧車を軸に自動車や自動車趣味に関わるもの多数展示、販売されるイベントである。自動車メーカーやインポーターだけではなく、自動車関連ショップの出展も多い。ここでは旧車のスペシャル・ショップに並べられた注目のクルマのなかから、「ロータス・ヨーロッパ」を紹介する。

主人公、風吹裕矢の愛車

ロータス・ヨーロッパといえば、池沢早人師(旧ペンネーム:池沢さとし)さんによる漫画『サーキットの狼』の主人公、風吹裕矢が乗っていたクルマとして有名だ。以前、池沢先生に狼以前のことを伺ったら、このように話してくれた。



池沢早人師氏も所有していた

「若い頃はS30型のフェアレディZに乗っていたんだよ。その後、22歳の時にトヨタ2000GTを買って、これに乗っていたんだけど、ある日、そのときの地元だった新井薬師でロータス・ヨーロッパに遭遇。リアにウイングが付いた赤いS2で、白いラインが入っていた。うわぁ、凄くカッコイイって素直に思ったね。もうすぐ24歳になるというタイミングで自分も買ってみた。僕のはリア・ウイングが付いた白いスペシャルだったんだけど、サーキットの狼に登場させたのは、新井薬師で見たヨーロッパとは真逆のカラーコーディネイトにしたんだ。つまり、ボディカラーが白で、赤いラインを入れたんだよ」

この話を聞いて以来、赤いヨーロッパS2を見るたびに池沢先生のことを思い出すようになった。オートモビル・カウンシル 2025の会場にもS2があったので、池沢先生はお元気かしら? と思いながら取材させてもらうことにした。



経験豊富な整備士を常駐

雰囲気のいい1971年式「ロータス・ヨーロッパS2」を展示していたのは、埼玉県さいたま市にあるガレージイガラシで、会場での税込車両販売価格は750万円であった。経験豊富な整備士を常駐させ、部品交換ではなく修理を第一に、ユーザーと相談しながら各種作業を進めているのだという。

そのポリシーが展示車両の赤いヨーロッパS2にも表れていたようで、スタッフにインタビューしたら、このように話してくれた。



塗装がひび割れも味わいのひとつ

「FRP製ボディの塗装がひび割れてきてきますが、こういう状態を味として好むクルマ好きもいるので、あえてそのままにしています。まずは見てもらい、今後どうするのかをお客さまと考えていきたいです」

肉眼でのパッと見および写真では分からないが、ボディの表面を近くで観察してみたら塗装がひび割れていた。しかし、絶妙な塩梅のイイ感じだったので、筆者が現車を購入した場合は再塗装することなく乗ると思う。



スペシャル・ショップでの購入が得策

ロータス・ヨーロッパは、「ルノー16」用のエンジンを積んでいた初期の「S1」、「S2」よりもフォード製エンジンにロータス製DOHCヘッドを組み合わせたパワーユニットを搭載していた「ツインカム」や、ツインカム用のエンジンをベースにビッグバルブを組み込んだ「スペシャル」の方が日本では人気だ。しかし、リアの左右上部にフィンがあるS2までのエクステリアを好むファンも多い。

逆Y字型バックボーンフレームにFRP製ボディを組み合わせているヨーロッパは、S1、S2、ツインカム、スペシャルとも、エンジン、ボディ、脚まわりの3要素についてよく理解している者がセッティングしないと本来の性能を発揮しない構造になっている。

個人売買で購入するとリスクを伴うので、ガレージイガラシのようなスペシャル・ショップで買うのが得策だろう。



文・写真=高桑秀典

(ENGINE WEBオリジナル)

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