2025.04.16

CARS

VWゴルフ、BMW M1、いすゞピアッツアに共通するものとは? 世界的カーデザイナーが手掛けた名車を写真で楽しむ

クルマをはじめ、カー用品やグッズ、さらにファッションなど、クルマやクルマ生活にまつわる様々なものが出展されるオートモビル・カウンシル。10回目を迎えた2025年最大のトピックは、世界的カーデザイナーで、マエストロと呼ばれるジョルジェット・ジュジャーロ氏の来訪だろう。

ジュジャーロ氏が手掛けた10台が登場

ジウジアーロ、ジュージアーロなど日本語訳の際はさまざまなカタカナが使われているが、氏の名前はクルマ・ファンにとって永遠の憧れである。今回、ジュジャーロ氏の来訪に合わせたテーマ展示として「Designed by Giorgetto Giugiaro」を企画。ジュジャーロ氏がデザインした10車種が展示された。今回は前篇として、そのうちの5台を紹介する。



アルファ・ロメオ・ジュリア・スプリントGT(1963年デビュー)

ベルトーネに所属していた20代前半に、徴兵中であったイタリア軍キャンプでデザインしたのがこの「アルファ・ロメオ・ジュリア・スプリントGT」。徴兵中にデザインができたのは、自由時間にベルトーネの仕事をすることを上官が許可したからだという。いわゆる「寄り目」にしたのは、当時常識的だったヘッドライトから始まる峰をフロント・エンドの表情の起点にしたくなかったから、とのことだ。



マセラティ・メラクSS(1972年デビュー)

マセラティがミドシップ・レイアウトを持つスポーツカーへ進出した際にジュジャーロ氏がデザインを担当した。氏はすでにマセラティでは「ギブリ」のデザインを担当していた。「メラク」は2シーターのルーフの後端にピラーを配置することで、ファストバック・デザインに見せたことが特徴的であった。同世代のミドシップ・モデルをみればフィアットX1/9からカウンタック、BBまで平坦なエンジン・フードを持つデザインだったが、ジュジャーロ氏はピラーを配置することで平坦なエンジン・フードを目立たせない手法を選んだ。



フォルクスワーゲン・ゴルフ(1974年デビュー)

今でもコンパクトカーのメートル原器と言われる「フォルクスワーゲン・ゴルフ」。普通であることの大切さを徹底して追求しつつ、それが没個性にならないデザインはジュジャーロ氏だからなせるワザだといえる。ゴルフは初代誕生から50年以上が経ち8代目となる今も、基本フォルムが変わらず。とりわけ、ボディ後端のCピラーの造形は最新モデルにまで長年受け継がれている。



BMW M1(1978年デビュー)

およそBMWとは思えないウェッジシェイプの効いたデザインを持つ「M1」。もともとはレーシングカーと企画されたモデルで、設計者はフォーミュラカーのシャシー製作などで有名なジャンパオロ・ダラーラ氏で、デザイナーとしてジョルジェット・ジュジャーロ氏が参画した。当初はランボルギーニ社が製造を受け持つ予定であったが、途中で離脱したため、最終組立工程までジュジャーロ氏のイタルデザインが担当。最終組立までをイタルデザインが行ったのはこのモデルのみである。



いすゞアッソ・ディ・フィオーリ(1979年デビュー)

往年のクルマ好きならばこのクルマをひと目で「いすゞピアッツア」であることが分かるだろう。現在は商用車専門メーカーとなっているいすゞだが、2002年までは日本の乗用車市場にもクルマを供給していた。アッソ・ディ・フィオーリはトランプのクラブのエースを示す。アッソ・ディ・フィオーリから発展した初代ピアッツアは1981年から91年まで10年にわたり販売された。



文・写真=諸星陽一

(ENGINE WEBオリジナル)

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