フィアットが、コンセプト・モデルの「グランデ・パンダ4x4」を公開した。日本未導入のグランデ・パンダだが、バリエーションを着々と拡大しようとしている。
デカ・パンダ版4WDも300万円強か?
グランデ・パンダは2024年末、EVとマイルド・ハイブリッド仕様を欧州で発売。つい先日は、さらに1.2リットル直列3気筒ターボとモーターを組み合わせたハイブリッドを披露し、1.9万ユーロ(約308万円)を切る価格で販売すると発表された。

そのハイブリッドのメディア向け試乗会の場で、今回の4x4の存在が明かされた。
4x4といえば、初代以来パンダの定番仕様だ。

1983年に登場し、小さいながら考え抜かれた設計で広い室内を確保したパンダに、シュタイア・プフの協力のもと悪路走破性を加えることで、街乗りとオフロード・ユースを1台でこなすクルマとなった。

横置きFFベースでは世界初の市販4WDであり、今や一般的なオン/オフ両用のコンセプトを先取りした、当時としては斬新なコンパクト・カーだった。
その初代4x4で象徴的に使われたダーク・レッドを再解釈した、ボルドーで身を纏って登場したグランデ・パンダ4x4。ホイールやボディ・サイドのロゴなど、ディテールにはノスタルジーを感じさせるベージュをあしらった。

フロントの追加ライトや、補助灯付きルーフ・ラックといった、4x4モデルらしいアクセサリーも装備されている。
メカニズムについて詳細なデータは明らかになっていないが、4WDシステムは、先進的な電動リア・アクスルを採用したものになるという。市街地でも悪路でも優れたパフォーマンスを可能にし、おそらくEVにもハイブリッド系にも付加できるはずで、異なるパワーソースの設定が期待できる。
選択肢を拡大するグランデ・パンダしかり、500への追加が決定されたハイブリッドしかり。小排気量エンジンを積むイタリアン・コンパクトの、小気味いい走りを味わってきたドライバーならば、日本での早々の発売をフィアットに願いたいところではないだろうか。
文=関 耕一郎
(ENGINE Webオリジナル)