2025.08.04

WATCHES

らしくないけどフランク ミュラーのこだわりを感じるトゥールビヨン

ラウンドケースの時計でもフランク ミュラーらしさを随所に感じられる

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4月上旬にスイスで開催されたWatches & Wonders Geneva(W&WG)にてお披露目されたモデルを中心にセレクトして紹介。今回は、ラウンドケースのフランク ミュラー。個性的な時計として知られるフランク ミュラーの中でも特異なモデルをENGINE時計委員はどのように見るのか。熱いコメントとともにお楽しみあれ!

らしくないけど、これも正解!

フランク ミュラーといえば、優美なトノウ カーベックス・ケースや印象的なビザン数字のインデックスなど、デザイン面の印象が強いが、元々はトゥールビヨンを軸とした超複雑機構で知られる技巧派であり、Master of Complications(複雑時計の名匠)と呼ばれていた。

芸術と技術の融合こそがフランク ミュラーが目指すところであるなら、「ラウンド グランド セントラル トゥールビヨン」は、その理想形といえよう。

中央にトゥールビヨンをレイアウトすると、歯車の取り回しがかなり難しくなる上に、時分針の設置も悩みどころとなるが、フランク ミュラーではその状況を逆手に取り、あえて時分針を小さくすることで、トゥールビヨンの存在感を際立たせている。

裏面の眺めも実に魅力的。マイクロローターによる自動巻きムーブメントは、毎時1万8000回の振動数でパワーリザーブは約84時間。

さらに放射状に大きく広がるようにギヨシェ彫りを取り入れることで、ダイアルそのものを美しく表現する点も見事。あえてアイコニックなトノウ系ではなく、端正なラウンドケースを用いた点も好感が持てる。

フランク ミュラー ラウンド グランド セントラル トゥールビヨン

フランク ミュラーのアイコニックなトノウ型ケースに搭載して発表されてきた「グランド セントラル トゥールビヨン」が新しいラウンド型ケースで今年登場。

ケージ径17.7mmの大型トゥールビヨンを文字通り時計の中央に配置して、その外周から突き出た時針と分針によって時刻を示す仕組みは、まさにフランク ミュラーならではの創意と技術。

インナーベゼルを加えたスリーピース構造のケースとムーブメントが隙間なく密接して一体化した設計も注目すべき特徴だ。自動巻き。ピンクゴールド、ケース直径46mm、日常生活防水。2508万円。

問い合わせ=フランク ミュラー ウォッチランド東京 Tel.03-3549-1949

文=篠田哲生

(ENGINE2025年7月号)

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