2025.06.18

CARS

ル・マンのレーシング・マシンが手に入る? マクラーレンの仰天プロジェクト

マクラーレンがFIA WECへ投入するレーシング・マシンのカスタマー向けモデルを公開。

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マクラーレンは、FIA WECへ投入するレーシング・マシンのカスタマー仕様を用意すると発表した。

マクラーレンとあのダラーラの共同開発


プロジェクト:エンデュランスと銘打ったこのプランは、市販車部門のマクラーレン・オートモーティブと、競技部門のマクラーレン・レーシングが協力して実施される。



2027年の参戦開始を予定しているWECのLMDhハイパー・カー・クラスのマシンと並行し、個人ユーザー向け仕様も開発し、ごく少数ながら販売するというもので、ル・マン24時間を走るマシンと基本的に同じモデルのオーナーになれるのだ。



プロジェクト:エンデュランスで提供されるマシンは、LMDhハイパー・カーと同じレーシング・ユニットのV6ツイン・ターボを搭載する後輪駆動。製造は、インディ・カーでも協力関係にあるダラーラと共同で行われる。



オーナーになると、世界最高峰のサーキットを走行する2年間のカスタマー向けサーキット・プログラムに参加できる。マシンの運搬や整備、現場でのサポートはマクラーレンが手掛け、オーナーは現地に出向くだけだ。もちろん、プロによるコーチングも行われる。

とうぜんレーシング・カー開発の裏側もつぶさに見ることができ、チームのキーパーソンやドライバーと接する機会も用意される予定だ。



インディ500とF1モナコ・グランプリ、そしてル・マンを制するトリプル・クラウンを達成した、唯一のマニュファクチャラーであるマクラーレンだが、次の目標は同一シーズン内でこれを果たす年間トリプル・クラウン。そのうち、耐久レース部門のストーリーの一端を担える、というのがこのプロジェクト:エンデュランスのポイントだ。

フェラーリFXXあたりから広まった、顧客が参加できるサーキット・プログラムだが、最近ではアストン・マーティンも着手。メーカーはコスト負担を分散しつつマシン製造/運営ノウハウをより多く蓄積でき、ユーザーはごひいきブランドのモータースポーツ活動を間近で体験できる。



高性能エンジンを積むスーパーカーやハイパー・カーが市販しにくくなりゆく時代にあって、サーキット専用という『治外法権』を活かしたこの手のケースは、新たなビジネスとして確立されていくのかもしれない。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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