2025.07.14

CARS

MC20の進化版 マセラティMCプーラが世界初公開された!

2025年7月10日、マセラティは新型スーパースポーツ「MCプーラ(MC Pura)」を世界初公開した

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2025年7月10日、マセラティは新型スーパースポーツ「MCプーラ(MC Pura)」を世界初公開した。これは2020年に登場した「MC20」をルーツに持ちながら、単なる派生やリフレッシュではなく、その思想と構造を見直し、「純粋さ」というテーマのもとに再構成された進化形である。

「ネットゥーノ」エンジンはMC20からキャリーオーバー

マセラティが新たに発表したスーパースポーツ「MCプーラ(MC Pura)」は、2020年に登場したMC20をベースに、その思想と魅力をさらに磨き上げた進化版だ。プーラは「純粋」を意味するイタリア語。その名の通り、ラグジュアリーや走りの楽しさをより削ぎ落とされた表現で伝えることを目指している。これは、過去に立ち返るのではなく、マセラティが今の時代に向けて提示する「純化」という新しい答えでもある。

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実は発表前に、私たちを含む一部のメディアに対してオンラインでのスニークプレビューが行われた。そこでのプレゼンテーションでも、「MCプーラは、より洗練されてよりマセラティらしいカタチに昇華した」「MC20で示した美意識と先進技術、そして伝統的な走りのエッセンスを再構成した」と語られ、マセラティが考えるこれからのラグジュアリーが明快に示された。





その心臓部には、おなじみの自社製3リッターV6ツインターボ「ネットゥーノ」エンジンを搭載。F1由来のプレチャンバー燃焼システムを備えたこのユニットは630ps/730Nmというスペックを誇り、MC20での初搭載以来ブランドの象徴となってきた。しかし、今回のアップデートでは、外観や内装が新たな意匠に刷新されても、あえてこのパワートレインには手を加えなかった。それについては、「(手を加えないことで)完成度とアイデンティティを保っている」ことを強調。

削ぎ落とすことで表現できる世界がある

エクステリアは、GT2ストラダーレやMCエクストレーマのディテールを受け継ぎながらも、全体に柔らかな輪郭と抑制の効いた表現がなされていて、空力性能の向上を意識しつつも、大型ウイングや派手な装飾を用いず、機能性と品格を両立している。ボディカラーには光によって表情を変える「AIアクア・レインボー」が初披露されるとともに「デビル・オレンジ」などの新色も用意。いずれの色も、誕生ストーリーを持ちながら、光や動きで表情が変わる色設計がなされている。

インテリアにはアルカンターラ素材が多用され、革素材に代わる新たな高級感を提案。レーザーエッチングによる模様や、ステアリングホイールのディテールに至るまで素材と質感への配慮が徹底されている一方、GT2由来のフラットトップステアリングの採用など、意匠面からの走りの演出も忘れていない。



生産はすべて、マセラティの本社があるモデナのチーロ・メノッティ工場にて行われ、MCプーラはその製造ラインにおいても、グラントゥーリズモやGT2ストラダーレと並ぶ象徴的な位置づけになるという。

プレゼンテーションを通してマセラティがこのモデルで強調したのは、「速さ」よりも「純粋さ」だった。軽量・高剛性なカーボンモノコック構造と、計算され尽くした空力処理、そして過剰に頼らないエレガンス。走行性能だけではないスーパースポーツの在り方を再考する姿勢が随所に感じられ、ラグジュアリーや走りの快楽を、より少ない表現で語ることに回答を見出したと言えるだろう。

文=佐藤 玄(ENGINE編集部)

(ENGINE Webオリジナル)

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