2025.07.13

CARS

スズキ初のEV SUV「eビターラ」のプロトタイプに試乗! 「ちょうどよさ」がイイってこういうこと

スズキが満を持して送り出す電気自動車「eビターラ」のプロトタイプに試乗

全ての画像を見る
千葉・袖ヶ浦フォレストレースウェイで行われたプロトタイプ試乗会にて、スズキが満を持して送り出す電気自動車「eビターラ」のプロトタイプに試乗。都市でも郊外でも扱いやすいサイズ感とSUVらしい力強さ、そしてスズキらしい実直なものづくりが詰まったこの1台は、毎日の移動を静かに、でも確実に変えていきそうな予感がする!

ホイールベースが長く後席は快適そのもの

eビターラは、スズキがグローバル展開を見据えて新たに開発したBセグメントのバッテリーEV SUV。全長4275mm、全幅1800mm、全高1640mmと都心でも扱いやすいサイズ感に仕立てられている。日本では「エスクード」、欧州では「ビターラ」として親しまれてきたその名を冠し、EVの「eビターラ」として新たなステージに踏み出したということになる。





まず、クルマと対峙した時の第一印象は「程よい道具感」。そしてどこか冒険心を感じさせてくれる。台形をモチーフにした立体的なフェンダー造形や、この車格としては長い2700mmのホイールベースが安定感のあるスタンスを実現。一方、インテリアのしつらえは上質で、茶色を基調とした内装にはソフトパッドを多用。スマートフォン感覚で使えるセンターディスプレイや新型ステアリングも、日常の移動をさりげなく快適にしてくれる。


スズキらしいってこういうことだ!

新開発のEV専用プラットフォーム「ハーテックe」を採用し、バッテリーを床下に搭載。駆動方式は2WD(FF)と電動4WD「ALLGRIP-e」の2種類が用意される。試乗したのは両方のモデルだったが、2WDは軽快で街中向き、4WDはどっしりと安定感があり、路面環境が悪くても頼りになるという印象だった。

ドライブモードはノーマル/エコ/スポーツの3種類があり、普段使いにはエコ、ワインディングや高速道路ではスポーツがよく合いそうだ。特に4WD仕様でのスポーツモードのレスポンスは見事で、出足の力強さや緻密な制御はプレミアムクラスに引けを取らないと感じた。ペダル操作だけで加減速をコントロールできる「イージー・ドライブ・ペダル」も自然で、初めてEVに乗る人でも違和感はないだろう。



さらにスズキらしさを感じたのが、寒冷地への対策。ヒートポンプ暖房やステアリング&シートヒーター、さらにはバッテリーの予熱機能を備え、外気温0℃での航続距離低下も最小限に抑えられている。日本の四季の中でも快適に使えるよう、しっかりと作り込まれているのだ。









試乗後のインタビューで開発陣は「EVである前に、まずクルマとしてきちんと作ることを大事にした」と語った。その言葉どおり、eビターラは単なる電動化の流れに乗った一台ではなく、日々の生活に根ざしたちょうどよいSUVとして完成している。






SUVらしい頼もしさとEVの静けさ、コンパクトな扱いやすさと上質な乗り味。それらが自然に混ざり合ったeビターラは、これからEVを生活に取り入れようと考えている人にとって、"ちょうどよい入り口"になるはずだ。日本での発売は2025年度中を予定。あとは価格次第。だが、今の時点でひとつ言えるのは、スズキのEV第一弾として、十分に魅力的な仕上がりとなっている。

文=佐藤 玄(ENGINE編集部) 写真=勝村大輔

(ENGINE Webオリジナル)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement