2025.08.21

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創業250周年。ブランドの“奥行き”を体現する逸品|ブレゲ タイプ XX 2075

シースルーバックから覗く地板にも注目のブレゲ タイプ XX 2075

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ケースはやはりトレンドの小径か。ブレスレットか、ストラップか、文字盤は定番の黒白青か中間色か、機械式ムーブメントは魅力的だがクォーツの精度と利便性も見逃せない。より柔軟・自由な”新基準=ニュースタンダード”によって、今の自分にふさわしい一本を選びたい。時計選びに悩んだときはENGINE時計委員のコメントをご参考に!

時計界随一の格式ある正統ブランドが誇りを持って送り出す“航空時計の新解釈”を腕に。ブレゲ タイプ XX 2075

2023年に第4世代「タイプ XX」を発表し、航空の分野での活躍をあらためて印象付けたブレゲ。創業250周年を記念する今年の最新作は、最初期の1955年に民間用として作られた希少なゴールド製「タイプXX No.1780」を忠実に再現。

今年から用いられる独自の18Kゴールド合金“ブレゲゴールド”を用いたケースは、オリジナルモデルと同一サイズの38.3mm。そして、フライバッククロノグラフ機能を備えた新開発ムーブメントのキャリバー7279も同様に手巻き。

そのケースバック側の地板には、1930年に初のパリ・ニューヨーク間大西洋横断飛行を達成したブレゲXIXの機体と飛行経路が手彫りされている。60時間パワーリザーブ。5気圧防水。596万2000円。



センスのよい選択の帰結 篠田哲生

250年前にパリにアトリエを開いた初代ブレゲの威光は大きく、ブレゲといえば、複雑機構か端正なクラシックモデルをイメージする人が多いだろう。でも天邪鬼な時計愛好家には、“5代目”にも注目して欲しい。

5代目ルイ・ブレゲは当時の最新テクノロジーだった飛行機に魅せられ、フランス航空界の第一人者となった。そんなブレゲのアナザーストーリーは、このパイロットウォッチという形で現代へと受け継がれており、このブランドの奥行きを味わうことができるだろう。

飛行前点検の所要時間に合わせた15分積算計など、過去から継承されているディテールを守っている点も好感が持てる。センスのよい時計選びとは、こういうことなのだ。

古くて新しい、新しくて古い 菅原 茂

これがニュースタンダードと呼べるかはわからないが、個人的に時計選びにいくつかの基準がある。

それはまず新しさだけに目を奪われないこと。時計もファッションのように速い速度で新しさを探求する今はとくに注意を要する。新しさは、じきに古くなり、飽きが来るからだ。

そしてもうひとつは、デザインにしても機構にしても、オーセンティックなルーツなり背景をもつかどうかである。その点、時計のほぼあらゆるものの原点を網羅するブレゲは別格だろう。

創業250周年の今年、70年前の希少なゴールド製「タイプXX」の復刻モデルはその象徴といえる。古くて新しい、新しくて古いという、時計の特性がこのモデルに見事に体現されているのだ。

問い合わせ=ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211 写真=奧山栄一

(ENGINE2025年9・10月号)