ブランドの設立から50年！　ジョルジオ・アルマーニ氏の美学と哲学を体感できる特別展が期間限定で開催中

永野正雄

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アルマーニの世界に入り込む

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50年にわたるジョルジオアルマーニの軌跡をデジタルアーカイブ化し、一般公開するプロジェクトがスタートした。これに合わせて「アルマーニ / 銀座タワー」では、約30体の希少なルックを見ることができる特別展が、期間限定で開催されている。

控えめにしてエレガントな美を体現

1975年にイタリア・ミラノで設立された世界的ファッション・ブランド、ジョルジオアルマーニ。創立50周年という節目を迎えた今年の8月、半世紀にわたるブランドのコレクションをアーカイブ化し、そのヘリテージを未来へと継承させていくデジタルプラットフォーム、“ARMANI/Archivio (アルマーニ / アルキビオ)” （archivio.armani.com）が立ち上がった。

衣服やスケッチ、ルックブック、広告ビジュアルなど、多彩な資料をデジタル化し、時代やテーマを横断して閲覧できる“ARMANI/Archivio”。

すでに数千体のルックがデータ化されており、現時点ではそのうち57点が一般公開されている。まさに誰もが閲覧できるのが本プロジェクトの重要な点であり、ブランドとしても、過去の遺産を保存するという意味あいだけでなく、ファッションやデザインなどの仕事に携わるクリエイターや研究者たちに、学びとインスピレーションをもたらす文化資源として、このアーカイブを位置付けているそうだ。

本プロジェクトの一環として、1990年代から2000年代初期のルックを中心とした約30体を展示する特別展“ARMANI/Archivio”が10月27日～11月16日まで、アルマーニ / 銀座タワー４階で開催されている。

今回の展示は、2000年にニューヨークのグッゲンハイム美術館で開催されたアルマーニ回顧展から着想を得たもので、時系列ではなく、色、フォルム、素材という３つの要素を軸に構成されている。

柔らかなシルエットや繊細な刺繍、グレージュのカラーリングなどを特徴とするこれらメンズ、ウィメンズのルックは、まさにジョルジオ・アルマーニ氏が追求し続けてきた、控えめにしてエレガントな美を体現したものだ。

さらに会場の床や壁面には、これまでの広告ビジュアルのほか、衣服の構造や素材のレイヤリングを可視化したX線による写真もディスプレイされており、まさにアルマーニ氏の美的世界にそのまま入り込んだかのような空間構成となっている。