2025.11.08

CARS

この気持ち良さはクセになる!令和のデートカー、新型ホンダ・プレリュードに公道初試乗

ついに発売された令和のデートカーこと新型ホンダ・プレリュード。今回ようやく公道での試乗が実現した。

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ついに、新型プレリュードに公道で乗れる日がやってきた。伊豆サイクルスポーツセンターで開かれた先行試乗会では試せなかった、エンジン直結モードでのクルーズ走行も体験。新感覚の走りをENGINE総編集長 ムラカミがレポートする。

新型プレリュードを公道で試す

先月号では、伊豆のサイクルスポーツセンターで開かれた先行試乗会での初乗りインプレッションをお届けしたが、限られたクローズド・コースでは分からないこともあった。たとえば、エンジンからの動力で直接前輪を駆動する直結モードでの走行がどんなものなのかということだ。

今回の公道試乗では、クローズド・コースで行われた先行試乗では見えなかった部分が露になった。

新型プレリュードはフロントに横置きされた2リッター直4エンジンに加えて、駆動用と発電用の電気モーターを持つハイブリッド車だが、一般道を通常の速度で走る時には、基本的に電気モーターのみで前輪を駆動するようになっている。

EVモードで走り出した後、加速し始めるとすぐにエンジンが始動するが、エンジンは基本的に発電用で、その動力が駆動に使われるのは、概ね時速70キロ以上の一定速度でクルーズ走行する場合に限られる。つまり、高速道路でも走らない限りは、エンジン直結モードにはならず、前回の試乗では体験できなかったというわけだ。

フロントに横置きされる2リッター直4エンジンは基本的に発電用で、高速道路をクルージングするような時のみ、エンジンから直接前輪に動力を伝える直結モードになる。

その辺りを考慮したのだろう。今回の公道試乗会の起点は、東名高速道路の御殿場インターのすぐ脇にあるリゾートホテル。走り始めてすぐに高速道路に入り、新東名も使って高い速度域でのクルーズ走行を十分に楽しんだ後、三島側から箱根の山に上り、山道のワインディング・ロードでの走りも堪能して、再び御殿場に下りるという、様々なシチュエーションで新型プレリュードの乗り味を体験できるロング・コースが用意されていた。

当日はあいにくの雨となったが、それもまた様々なシチュエーションのひとつだ。2025年11月号の表紙にもなったフレームレッドの試乗車に乗り、ホテルを出発した。

自然でスムーズな走り

完全なバッテリーEVとして走り出し、数十メートルも行かないうちにエンジンが始動する。それ以降も電気モーターで走っているにも拘らず、エンジン車に乗っている感覚になるのは、前回も感じた通りだ。

さらに、S+シフトのボタンを押すとその感覚が強くなる。インパネのパワー・インジケーターが回転計に変わり、トランスミッションは電気式のCVTであるにも拘わらず、擬似シフトするようになる。回生ブレーキの強さ調整用だったパドルも、シフト用に変わる。あくまで演出されたものなのだが、あまりに自然でスムーズなので、スッと8段変速のエンジン車に乗っているような感覚に馴染んでしまうのだ。

その自然さとスムーズさは、電気モーターからエンジン直結モードへの切り替わりでも同じだった。まさに、いつの間にかエンジンで走っていたという感じで、モニターのパワーフロー表示でエンジンの上に小さな歯車のマークが表示されるようになっていなかったら、まったく気づくことがないだろう。

直結モード時はモニターのパワーフロー表示でエンジンの上に小さな歯車のマークが出るのが目印だ。

直結モード時には、エンジンの駆動のほかに微妙に駆動モーターがアシストしているのだそうだが、そこから加速する時には、瞬時にモニターから歯車マークが消えて、電気モーターのみになる。その切り替わりも自然でスムーズだから、まったく違和感がない。

それにしても、特筆すべきは、高速道路をクルーズ走行している時の気持ち良さである。運転モードはデフォルトのGTでも、コンフォートはもちろんスポーツにしていても、乗り心地が抜群にいい。グライダーが大空を滑空している時の感覚というのはこれか、というような気持ち良さだった。

雨の中でも直進安定性が素晴らしく、不安がないばかりでなく、自然でスムーズな走りが、この独特なおおらかさを感じさせる乗り味をもたらしているのだろう。前回も書いたが、この乗り味はまったくの新感覚で、実際に体験しないとなかなか伝わらないかもしれない。

フロントに横置きされた2リッター直4エンジンに加えて、駆動用と発電用の電気モーターを持つハイブリッド車だ。

さらに、今回改めて感心したのは、ワインディング・ロードでの走りの気持ち良さだった。低くワイドな構えがもたらすハンドリングの良さに加えて、S+シフトのあたかもギア付きのエンジン車でコーナーを駆け抜けているような気分にさせるシフト・ショックやブリッピング音が、気持ちを引き立ててくれる。ただし、こちらもすべてが自然でスムーズで、これみよがしなところは皆無である。

これぞ大人のスポーツ・スペシャリティ・カーだ。この気持ち良さを一度味わうと、クセになりそうだ。

文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=神村 聖

■ホンダ・プレリュード
駆動方式 フロント横置きエンジン+2電気モーター前輪駆動
全長×全幅×全高 4520×1880×1355mm
ホイールベース 2605mm
車両重量 1460kg
エンジン形式 2.0リッター直噴直4アトキンソンサイクル
エンジン最高出力 104kW/6000rpm
エンジン最大トルク 182Nm/4500rpm
電気モーター最高出力 135kW/5000-6000rpm
電気モーター最大トルク 315Nm/0-2000rpm
トランスミッション 電気式CVT
サスペンション(前) デュアルアクシス・ストラット/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前後) 235/40R19
車両本体価格(税込み) 617万9800円

(ENGINE2025年12月号)
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