2025.11.17

CARS

「ポリゴン・コンセプト」が予感させるプジョーの未来像はいうなれば先祖返り? モチーフはあの「205」

これが次世代のプジョー・デザインなのか!?

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プジョーが、「ポリゴン」と銘打ったコンセプト・カーを発表した。全長4mを切るコンパクト・カーのプロポーザルだ。

ステアリングは四角いけど、どこか「プジョー205」の面影がある!


エクステリアには、かつての「プジョー205」を思わせるディテールが散見される。マイクロLEDを用いたフロントのグラフィックは、プジョーのアイコンとなっている3本の爪痕を横方向に入れた、将来的なデザイン言語のプレビューだと説明されるが、むしろ「プジョー205」のグリルを模倣したようなビジュアルだ。



CピラーにもマイクロLEDのスクリーンを設置するが、楕円のそれは「プジョー205」のデザインを踏襲している。



いっぽう、斬新な造形も多数盛り込まれた。フロントの左右両端は、カナード風のフローティング・マウントされたパネルを装着。ほぼホイールベースいっぱいを占める巨大なドアは、なんと跳ね上げ式のガルウイング・タイプだ。





リア・フェンダーは大きく張り出すが、その上面にはポップアップする充電ソケットが隠れている。



オーバーハングを思い切り切り詰めたリア・エンドには、猫耳のような2分割ルーフ・スポイラーや、アーチ状のディフューザーといった目新しい空力デバイスが組み込まれている。



インテリアは、次世代のiコックピットを表現。もはやダッシュボードにハイマウントのメーターパネルを設置することはなく、情報はステアリング・コラム上のマイクロLEDパネルによって、フロントウインドウに投影される。

そのサイズは、31インチのディスプレイに相当する。クルーズ/ファン/ハイパーと3段階ある走行モードによって投映パターンを変えるほか、停車時には車外に向けて情報や動画を表示することも可能だ。

そして目を引くのが、ハイパー・スクエアと呼ばれる四角いステアリング・ホイール。ステア・バイ・ワイヤの採用で操舵角を小さくできるため、もはや円形のリムは必要ないということらしい。ステアリング・レシオは速度に応じて変化するが、低速でも舵角は最大170度にとどまり、速度が上がるとさらに小さい入力で済むとのことだ。



このハイパー・スクエアがすぐにも実用化されるのかは疑問だが、ステア・バイ・ワイヤは2027年にも市販車に投入される予定。振動やキックバックは抑制しつつ、フィードバックは路面状況を把握できる程度に最適化できるという。



これらの操縦系は、室内スペースの最大化にも寄与。Bピラーのないサイド・ウインドウやガラス・ルーフは、キャノピーのようなガラス・ハウスを構成し、開放感も高い。独特な形状のシートは、3Dプリントのシェルに1ピース構造のクッション材を組み合わせたものだ。



パーソナライズの自由度も高く、内装パーツは数分で交換できる構造。ハイパー・スクエアを含め、好みのカラーや素材への交換が容易に行える。外装では、グッドイヤーが開発した色付きサイドウォールのタイヤを装着し、これにビスポークのレーザー彫刻を施すことも可能だという。

ポリゴン、つまり多角形を意味する車名は、デジタルチックなデザインだけでなく、さまざまな楽しみ方を提供することも示唆するもの。このコンセプト。・カーでは、ベーシックなコンパクト・カーを体現した“アーバン”をはじめ、スポーティさを強調した“プレイヤー”と、オフローダー的な装いの“エクスプローラー”という、好みや使い方に合わせた3つのスタイルを提案しているが、可能性は無限大だという。

夢物語ではなく、プジョーの未来を垣間見せるものだという「ポリゴン・コンセプト」。その動く姿は、オンライン・ゲームの『フォートナイト』内に開設したプジョー・ポリゴン・シティ・アイランドという専用エリアで確認できる。ハイパー・スクエアの形をした島で、カスタマイズも楽しめるのだとか。



ちなみに個人的には、「ポリゴン」と聞くと、アーケードでデイトナUSAに沼って購入したセガサターンを思い浮かべる。共感したあなた、同世代ですね。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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