2025.11.24

CARS

物流の大革命になるかも 人が二人で持つがごとく荷物を運ぶいすゞVCCC ジャパン・モビリティ2025で見た未来を変える秘策

【前後篇の後篇/前篇からの続き】

たくさんの未来を見せてくれたジャパン・モビリティ・ショー2025。その中には、明日にも売られそうな新型車や次のモビリティ・ショーまでには発売されるんだろうなという近い未来のニューモデルをはじめ、様々な未来を見据えた乗り物が展示されていた。

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前篇【椅子に座ったまま世界中を駆け巡れるレクサスになるかも ジャパン・モビリティ2025で見た未来を変える秘策】では、レクサスのラグジュアリー感のまま移動できる、1人乗りの動くワークスペースを紹介している。

トラック、それともバス?

そのなかにはで、既存の考え方とは異なる新しい時代をつくり出してくれるのではないかという注目のモデルも多数見られた。その中から、大きな可能性を秘めた2つのモビリティを紹介。後篇となる今回は、トラック? トレーラー? いやバス? いずれにしろ物流に大革命をもたらすかもしれない乗り物を紹介する。


いすゞVCCC

その車両はいすゞブースのひな壇の一番目立つところに展示されていた。その名はVCCC=Vertical Core Cycle Concept、日本語で何と説明すればいいのだろうか。ちなみに、翻訳アプリにかけると「垂直コア・サイクル・コンセプト」とまでしか訳してくれない。

逆Y字型の先端に4つの車輪が装着されていて、これだけで自立走行する。デモンストレーションでは1つ、もしくは2つで使うことが想定されていたが、状況に応じて、3つや4つ以上でも成立しそうだ。


人が二人で荷物を運んでいるみたい

どうやら2つ使用が基本形みたいで、Y時の下の真っすぐの部分、逆さにして車両にした場合は上の方の部分、にアタッチメントが付いていて、同じく左右に同じアタッチメントが付属したコンテナなどをVCCCが迎えに行き、車両に固定し、持ち上げ、そして挟んで運ぶ。その姿はまるで人が二人で荷物を運んでいるかのようだ。小型ができれば、室内で使うこともできるので、用途はさらに広がる。アタッチメントは車両の前後に備わるので、2台で荷物を挟みつつ、それぞれ片側のアタッチメントで支えられる程度の重さのものであれば、別の物を装着し、運ぶことが可能だ。

VCCCには運転をする場所がないので、自動運転もしくは遠隔操作を想定しているのだろう。ただし、片側のアタッチメントに操作用のキャビンを装着すれば、1台だけでトレーラーのように使うこともできる。ラストワンマイルのように、自動運転や遠隔操作では難しい場所への輸送も可能になるというわけだ。


大きさや重さを問わない

このVCCCの優れているところは、アタッチメントが付いているものならどんなものでも運べることだ。コンテナ、車両運搬キャリア、ガスや液体のタンクなど。人が乗車できるキャビンを付ければバスにもなる。しかもVCCCが運べる最大値までであれば大きさや重さを問わない。もちろん、仮に市販化された場合は利便性やコストを考え、いくつかの仕様が用意されることになると思うが、理論上は1組でなんでも運ぶことができるのだ。

さらに技術が進化し、専用のアタッチメントを用いずに手で持つかの如く積載物を固定できるようになれば、本当に人が手に持って運ぶのと同じことができるようになるかもしれない。

もちろん、パッと見で5年、10年で実用できるものでないことは私にも理解できる。しかし、VCCCが実用化されたら、物流に大きな革命が起こるのは間違いないだろう。



前篇【椅子に座ったまま世界中を駆け巡れるレクサスになるかも ジャパン・モビリティ2025で見た未来を変える秘策】では、レクサスのラグジュアリー感のまま移動できる、1人乗りの動くワークスペースを紹介している。

文=新井一樹(ENGINE編集部)

(ENGINE Webオリジナル)

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