GRとエンジンがコラボレーションした新たな試みが、富士スピードウェイで始まった。最新のGR車、全4モデルに乗って、それぞれの魅力と特性を体感しながら、クルマを思い通りにコントロールするコツを学ぶ、新しい運転体験プログラム「ENGINE × GR DRIVING EXPERIENCE at Fuji Speedway Mobilitas」だ。その模様をENGINE編集部のムラカミがリポートする。
クルマを自分の思い通りにコントロールするコツを学ぶ
2025年11月9日朝、富士スピードウェイの中にあるトヨタ交通安全センター、モビリタを使った新しい運転体験プログラムが、シトシトと降り続く雨の中で始まった。
普通だったら、クルマ・イベント当日の雨は参加者の日頃の行いが悪かったから、ということになりそうだが、この日に限っては逆だった。みんなの日頃の行いが良かったから、恵みの雨が降ってくれたのだろう。
というのも、この日の狙いは、クルマをいかにして自分の思い通りにコントロールするかを学ぶことにあり、そのためにモビリタの持つ低ミュー路を用意していたのだが、その運転を学ぶのに絶好の滑りやすい路面が、図らずもすべてのプログラムで用意されることになったからだ。

この日のトレーニング・メニューは三つ。①がフルブレーキ・危険回避・スラローム。②が定常円旋回。③が低ミュー路走行。そして、それぞれのメニューに応じて最適な車両が用意されていた。①が4WDのGRヤリスとGRカローラ、②がFRのGR86、③が同じくFRのGRスープラで、学びながら最新GR各車の試乗もできるという盛りだくさんのプログラムになっていたのだ。

さらに豪華だったのは講師陣で、日本のトップ・ドライバーとしてスーパーGTなどで活躍する井口卓人選手と蒲生尚弥選手が登場。デモ走行するのはもちろん、一人一人の走行を見ながら無線で指導するという贅沢なプログラムになっていた。

この日参加したのはエンジン・プレミアム・クラブ会員を中心に、午前17名、午後17名の34人。首都圏はもちろん、富士から近い静岡や長野、さらには愛知、滋賀、和歌山、大阪の中部近畿圏、驚いたのはなんと宮崎から飛行機とレンタカーを乗り継いで来た人もいたことで、この新しい運転体験プログラムとGR車に対する期待と関心の高さがわかる。