日産の中国合弁会社である東風日産乗用車公司(DFN)は2025年11月21日、広州モーターショーでHUAWEI(ファーウェイ)の最新コックピットシステム「HarmonySpace5.0」を搭載したティアナを発売した。
シンプルなデザインが好印象!洗練されたエクステリアと上質感なインテリアが魅力の新型ティアナ
中国で発売された新型ティアナは、シンプルかつ伸びやかで洗練されたエクステリア・デザインが特徴だ。

また、フロントグリル中央から左右のヘッドライトまで約2mに渡って構成されるスターリングLEDライトやクラス最長となる230mの距離を照射できるヘッドライトを装備している。
ボディカラーは、専用色の“サンドストーングレー”と“ファントムパープル”の2色だ。

室内の約90%にソフトパッドを使っているインテリアは、上品で手触りがよさそうな空間となっている。
シートは、中折れ形状により腰から背中を支持して中立姿勢を再現するスパイナルサポート機能付き。あわせて、シートベンチレーション、メモリー機能、マッサージ機能、無段階調整式のフットレストも装備される。

その他にも、最大256色の設定が可能なアンビエントライト、タッチで操作する大画面ディスプレイ、高精度なボイスコントロールなどを搭載。まるで“移動するスマートホーム”のような快適性を実現している。

パワートレインは、最高出力243ps、最大トルク371Nmの2リッターVCターボエンジンだ。先進機能は、自動運転レベル2に相当する運転支援システムを搭載する。
音質や静粛性にもこだわっている新型ティアナ!世界初搭載となるファーウェイの車載システム「HarmonySpace5.0」も注目ポイント!
中国で販売される新型ティアナには、スマートフォンのように操作できるファーウェイの車載システム「HarmonySpace5.0」を全車に標準装備している。ちなみに、このシステムを採用する内燃機関(ICE)車は世界初だ。

ファーウェイの車載システム「HarmonySpace5.0」は、クラストップとなる15.6インチの“ファーウェイ・インテリジェントディスプレイ”を採用しているだけでなく、高精度な音声認識を可能とするAI音声アシスタントやOTAアップデートにも対応。常に最新状態のソフトウェアでカーライフをサポートする。

また、HUAWEI SOUNDと共同開発した15スピーカー(最上位グレードは17スピーカー)のサウンドシステムも標準装備だ。このサウンドシステムは、力強い低音、美しい中音、澄んだ高音が特徴となっている。さらに、全てのドアに二重構造の静音ガラスを使用することで、高速走行時でも高い静粛性を実現している。
「洗練された大人のための高級セダン」として日本市場でも販売されていたティアナ
日産のDセグメント・セダンであるティアナは、かつて日本市場でも販売されていたモデルだ。

「洗練された大人のための高級セダン」をコンセプトに開発された同モデルは、2003年に初代が登場した。初代ティアナの特徴は、モダンリビングを思わせる品格あるインテリアとなっている。

2008年に登場した2代目ティアナは、モダンなデザイン、乗るたびに実感する快適な乗り心地、乗る人すべてに配慮した装備により、色褪せない価値を提供するクルマを目指して開発された。

2014年に発売された3代目ティアナは、余裕のある走りと快適性を高次元で両立させていることが特徴だ。

日本国内では、SUVやミニバンの需要が高くなったり、セダンの市場が縮小したりしたことによって、3世代で販売を終了した。

中国で発売された新型ティアナは、シンプルでありながらスポーティなスタイリングと、手が触れる部分から上質な印象を感じられるインテリアに、先進的なシステムが組み合わされているセダンだ。

新しいティアナは、スポーティなモデルを好む傾向にある日本国内のユーザーにも受け入れられる可能性が高いだろう。もし、日本市場に導入されれば、セダン復権のきっかけになるかもしれない。
文=齊藤優太(ENGINE編集部)
(ENGINE Webオリジナル)