2025.12.04

CARS

【海外試乗速報】新しいiX3はただの電気自動車にあらず。いまもっともBMWらしいクルマだ

新型BMW iX3に、スペイン・マラガの山道とアスカリ・サーキットで試乗。新世代の「スーパーブレイン」制御により、軽快でニュートラルな走りと自然な加減速による極上の乗り心地は特筆ものだった!

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完全新設計のプラットフォームを採用した新型BMW iX3。「いままででもっともBMWらしいクルマです!」と本国のオリバー・ツィプセ会長が評したこのクルマの出来栄えはいかに? 小川フミオがスペインのマラガよりリポートします!

とにかく乗り心地がいい。ワンペダルでも自然な加減速

BMWの新型iX3に乗ったのは、スペインのマラガだった。なんでここ? という疑問は乗り出してすぐ氷解した。万能選手のこのクルマにぴったりの場所なのだ。

マラガはスペインの南端近くで、アンダルシア地方にある歴史ある都。紀元前770年にフェニキア人の手で建設されたという。もうひとつの特徴は山がちなこと。標高1000m程度の山が連なり、そこを縫うように道路が敷設されている。風光明媚なワインディングロードがたのしめるのだ。



2025年11月にそこで私がドライブしたのは「iX3 50 xDrive」。前後にモーターを搭載して、345kWの最高出力と645Nmの最大トルクを発揮する全輪駆動モデルだ。新型iX3はピュアEVとして、2025年9月に登場した。パワートレイン、デジタル技術、それに生産方式にいたるまで、従来とは一線を画している。具体的にはどうなんだろう、とその時から興味をかきたてられていたモデルだ。

BMWが掲げる特徴はソフトウェアデファインド・ビークルであること。ドライビング・ダイナミクス、自動運転、インフォテイメント、コンフォートといった機能を、コンピュータの中核システムである4つの「スーパーブレイン」に集約している。



BMW AG取締役会のオリバー・ツィプセ会長は「いままででもっともBMWらしいクルマ」と発言している。誇大表現でなかったことは、マラガで乗って、たちどころにわかった。

ひとつは、ワインディングロードでの挙動。カーブでは適度なロールを伴いつつ、完璧にニュートラルなステアリング特性を示す。電気自動車はごく低速域からたっぷりのトルクを出すので、加速感が強調されがちだけれど、iX3の場合、アクセルペダルの踏み込み量との調整がうまく、エンジン車のような自然な加速感だ。



感心したのは、高速道路での乗り心地。アクセルペダルのオンとオフや、ブレーキペダルの踏み込みといった、車体のピッチングを誘発する操作があっても、姿勢はほぼフラット。驚いた私が、BMWの技術者に確認すると「回生ブレーキによる制御を使っているため」とのことだ。変速機を「B(ブレーキ)」モードに入れておくと、アクセルペダルの踏み込みだけで加減速から停止まで行える。停止の際、ショックがゼロ。いつ停止したかまったくわからない。これも、回生ブレーキの緻密な制御のなせるわざという。
 


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