2025.12.15

CARS

これは是非とも販売希望!トヨタ「カムリGT-Sコンセプト」を間近で見て感じた“市販化”への本気度【SEMAショー2025】

トヨタブースに展示されていた「カムリGT-Sコンセプト」

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伝説の「GT-S」グレードが復活?

トヨタはスポーツカーとオフロードの二刀流を基本とし、どちらからもカスタムカーを毎年お披露目している。今年はさらにそこへ新エネルギー要素も加わり、電気自動車「bZ4X(北米名:bZ)」のタイムアタック仕様や、ピックアップ・トラック「タンドラ」に燃料電池パワートレインを換装したモデルも公開した。

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その数ある出展車両の中でも、ビビッドなカラーリングで多くの参加者を惹きつけたのが「カムリGT-Sコンセプト」だ。筆者もSEMAショーが開幕して真っ先にトヨタブースへ向かった際、このカムリが放つ異彩にすぐさま視線を奪われた。

リアビューではツートンの雰囲気がより感じられる

「カムリGT-Sコンセプト」は2025年型「カムリXSE AWDハイブリッド」がベースで、相変わらず日本で買えないことを悔しく思うカッコ良さだ。

パワートレインも出力232hpを叩き出す純正の2.5リッターHEVから変わっていない。一方でエクステリアはオレンジ/ブラックのツートンカラーをまとい、カムリの新たな一面を引き出している。

公式では一切触れていないが、このカラーリングは映画「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」に登場するVeilSide仕様のマツダRX-7から強く着想を得ていることだろう。

実際、初日の発表イベントにそのRX-7を運転する「ハン」を演じたサン・カン氏がサプライズで登場したあたり、無関係とは言えなさそうだ。



製作はトヨタがカリフォルニア州に構えるデザインスタジオ「CALTY」が中心となって進行し、フロント・リップやサイド・ステップ、スポイラー、リア・ディフューザーもCALTYが特別に仕立てた。全高は車高調で約3.8cm程度ローダウン、そこへ20インチのブラック・ホイールを組み合わせることで引き締まった印象を演出する。

カムリGT-Sコンセプトは見た目だけでなく、例えばブレーキはフロントで対向8POTキャリパーに直径365mmローター、リアでは対向6POTキャリパーに直径356mmローターを組み合わせるというダイナミックな制動性能を有する。オーバースペックとも思えるが、ブレーキは効くに越したことはない。

今回のコンセプトは将来的な展開を見据えたスタディ・モデルと位置付けられている。つまり、市販化の可能性もゼロではないのだ。

「GT-S」は北米向け「カローラ」や「セリカ」のスポーツ・グレードに付与されてきた伝統ある名前なので、それがカムリで復活したら筆者含む多くのトヨタファンが湧くことだろう。

セダン市場が縮小傾向にある中であえてターゲットを若年層に絞り、セダンに再び“趣味性”のスパイスを与えようとするアプローチには大きな意義を感じる。

実際、トヨタのブースでは他にも多くのカスタムカーや市販車が展示されていたが、特に注目を集めていたのはこのカムリだ。こんなカッコ良いセダンを身近に楽しめるアメリカのクルマ好きを少し羨ましくも思った、そんな2025年のトヨタブースだった。

文・写真=加藤ヒロト

(ENGINE Webオリジナル)
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