2025.12.27

CARS

初代NSXといえばピニンファリーナじゃないの?「ホンダNSXトリビュート・バイ・イタルデザイン」がオートサロンへ!

関係深いピニンファリーナではなくイタルデザインからも新生NSXが登場!?

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イタリアのカロッツェリアとして知られるイタルデザインから、日本の自動車史に輝くアイコンへの、最大級の敬意を表したプロジェクトが発表された。

イタリアから新たにNSXのリクリエイトが! 


伊イタルデザインは、2026年1月9日から開催される東京オートサロン2026において「ホンダNSXトリビュート・バイ・イタルデザインを世界初公開する。



このプロジェクトが驚愕のニュースであることを理解するには、時計の針を少し巻き戻す必要がある。



初代ホンダNSXの開発前夜、ホンダはイタリアのもう1つのカロッツェリアの巨塔であるピニンファリーナに、ミドシップ・スポーツのコンセプト・スタディを依頼していた。



それが1984年のHP-X(ホンダ・ピニンファリーナ・エクスペリメンタル)である。このHP-Xこそ、後のNSXへと至る道筋を照らした存在であった。



つまりNSXには、ホンダのエンジニアリングに加えてイタリアン・デザインもルーツとして存在していた。そして40年以上の時を経た今、ピニンファリーナと並び称されるデザイン・エンジニアリング会社であるイタルデザインが、この伝説的なモデルを再解釈するという事実は、極めて興味深い歴史の巡り合わせといえるだろう。



ジョルジェット・ジウジアーロによって創設され、機能美とエンジニアリングの融合を信条としてきたイタルデザイン(その後アウディの傘下となり、現在は米国企業が資本となっている)。彼らが、ライバルともいえるピニンファリーナの遺伝子も一部に含んだNSXという素材を、どのように現代に蘇らせるのか。興味は尽きないが、まだその姿はリアのテール・ランプの造形以外、明らかになっていない。

右ハンドルのみの「フュー・オフ」モデル


イタルデザインは、NSXが持つパフォーマンス、信頼性、そしてユーザビリティといった本質的な価値を抽出し、それらを現代的な解釈で翻訳したという。そして、スタイリングからエンジニアリング、そして超少量生産(ウルトラ・リミテッド・シリーズ・プロダクション)まで、同社がエンド・トゥ・エンドでキュレーションを行う。そう、これはオーダー・メイドの「フュー・オフ(Few-off)」プロジェクトだ。しかも見逃せないのは、今回の「NSXトリビュート」がホンダによって公式に承認されたプロジェクトという点である。



イタルデザインのビジネス・デベロップメント・マネージャー、アンドレア・ポルタ氏は次のように語った。



「我々にとってホンダNSXトリビュート・バイ・イタルデザインは、イノベーションの精神、独占性の追求、クラフトマンシップの高揚、そして伝統への敬意という、常に我が社を突き動かしてきた要素を具現化した非凡なプロジェクトです。東京オートサロンは、日本との、若者たちとの、そしてチューニング・カルチャーとの絆を強化する理想的な舞台。ここでは自動車への真の情熱を感じることができます」



いわば1つの歴史を作ったこのモデルに敬意を表するには、完璧なステージというわけだ。



生産される車両は、極めて限定された台数のみとなり、すべて右ハンドル専用となるという。

かつてピニンファリーナとホンダが蒔いた種は、NSXという大樹となった。そして先日、そのピニンファリーナ自らがリクリエイトを手がけたというイタリアのレーシング・コンストラクター、J.A.S.モータースポーツのロード・カー、TENSEI(テンセイ)も発表された。

さらにNSXはイタルデザインという新たな職人の手によって、次世代の花を咲かせようともしている。

一刻も早く、その姿を拝んでみたいものだ。

文=ENGINE編集部

(ENGINE Webオリジナル)

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