2025.12.31

CARS

2025年で惜しくもサヨナラとなる自然吸気4気筒のチューニング・エンジン!【12年の歴史に終止符】最強&最後のケータハム・セブン485が工場を出る

最新&最強かつ最後のケータハム・セブン485は誰の手に?

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ついに最後のセブン485が英ケータハムのファクトリーからロールアウトした。

日本でも人気のケータハム、だが意外な国でも売れている?


セブン485の物語は2013年にスタートした。ケータハムが初めてヨーロッパ市場に導入したこのモデルは、同社がチューンしたフォード製のデュラテック2リットル自然吸気エンジンを搭載し、当時の欧州市場向けとしては、ラインナップ中、最もパワフルで最速のプロダクション・モデルとなった。



セブン485は12年間にわたる期間中で、合計583台が生産された。このうち“ファイナル・エディション”としてヨーロッパ市場向けには85台が造られ、日本市場向けにはには“480ファイナル・エディション”の名で15台が用意された。



ファイナル・エディションは、12年間の歴史を飾るにふさわしい特別な仕様だ。その中でもスイスへ向かうファクトリーを出た最後の一台は、幅広のラージ・シャーシーをベースに、ボルケーノ・レッドの外装色にブラックのノーズ・バンドとセンター・ストライプが組み合わされている。スイスのディーラーであるケータハム・クムシック・スポーツ・カーズ AG で、オーナーを見つける予定だという。

ケータハム・セブンは、1957年にロータスが設計したロータス・セブンを起源とし、1973年にケータハムがその生産権を取得して以来、半世紀以上にわたって軽量スポーツカーの本質を追求し続けてきた。セブン485は、その長い系譜の中でも特別な存在だった。



2リットルの自然吸気フォード・デュラテック・ユニットの最高出力は228ps、最大トルクは205Nmで、最高回転数は8500rpmに達する。変速機は5段MTが組み合わせられていた。車両重量はわずか560kgしかないので、パワーウェイト・レシオ(馬力当たりの重量)は2.47kg/ps。最高速度は224km/hに達する。



現代のターボ・エンジン全盛の時代にあって非常に希少なこのユニットによって、セブン485はピュアなドライビング・フィールを提供し続けてきた。リニアなスロットル・レスポンス、高回転まで一気に吹け上がる官能的なフィーリングと発せられるサウンド、そして軽量なボディとの組み合わせが生み出す圧倒的な加速感。これらすべてが、セブン485を特別なものにしてきた。

生産は終了したものの、セブン485を手に入れるチャンスはまだわずかに残されているようだ。ケータハムによれば、欧州市場の認定販売店には、入手可能な車両がまだ少数残っているという。



ケータハム・セブンというアイコンは、今後も新たなモデルが登場し、進化を続けていくだろう。しかし、セブン485という特別なモデルが刻んだ12年間の歴史は、同社の伝統において特別な章として記憶されることになるに違いない。はたして彼らは次にどのようなモデルを世に送り出すのか。



完全に電動化された、まったく新しいケータハム、プロジェクトVの詳細も少しずつ明らかになっている今、自然吸気のハイチューン・エンジンを愛する者たちにとっては、大いに気になるところである。

ケータハム・セブン485生産実績
* 生産期間:2013〜2025年
* 総生産台数:583台
* バリエーション:S、R、CSR
* エンジン:ケータハム・チューンによるフォード・デュラテック2リットル自然吸気ユニット
* ファイナル・エディション:85台限定(うち485 FEが60台、485 CSR FEが25台)
* 最多販売店:ケータハム・クムシック・スポーツ・カーズ AG(スイス)123台

文=エンジン編集部

(ENGINE Webオリジナル)
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