東京オートサロン2026のダイハツブースで、ひときわ来場者の注目を集めていたデコトラがあった。その名もハイゼット・トラックPTOダンプ「大発命(だいはつめい)」だ。物理的にも光り輝いていた、このド派手なトラックを紹介しよう。
ここまでやるか! 圧倒的な完成度とこだわり
今、世界で軽トラが大人気だ。元々「軽自動車」というドメスティックな規格の中で、独自の進化を遂げてきた軽トラック。そのコンパクトながら豊富な積載量を誇り、小回りも効いて使い勝手も良く、さらには壊れにくい、という軽トラの魅力が世界にも認められ始め、その需要は年々増加傾向だ。
ダイハツ・ハイゼットも、そんな軽トラックのひとつ。初代の登場は1960年で、なんと65年以上の歴史を持つ、日本で最も歴史のある軽自動車だ。

そんなハイゼットを光輝くデコトラ仕様にしてしまったのが、今回展示されていた「大発命」だ。なぜハイゼットがデコトラなのか? ダイハツの方に聞いてみたところ、こんな返答が得られた。
「ダイハツの“お客様に寄り添い、暮らしを豊かに”というスローガンをもとに、見る人が笑顔になってほしいクルマを作りたいと思い製作しました」
車名の「大発命」も、昨年秋頃から放映しているブランドCMコンセプトの「わたしにダイハツメイ」と、「ダイハツ”命”」のダブルミーニングになっているということで、クスリとさせられる。
しかしながら、そんな車名以上に徹底的なこだわりを持って製作された大発命は、細部を見れば見るほど「おお!」と唸らされる造形で溢れていた。
先ほど紹介したダイハツのスローガンと、光輝くダイハツエンブレムが眩しいシートデッキ・キャリアをはじめ、ウロコ柄のステンレスパネルや、電飾付きのホイール・スピンナーなど、その完成度はホンモノのデコトラとみまごうほど。

フロントバンパーにある「池田」「中津」の行燈は、ダイハツ本社のある大阪府池田市と、ハイゼットの工場のある大分県中津市から取られており、ここにも遊び心が満載だ。
サイドビューもこだわりポイントのひとつで、ボディ下部のサイドバンパーがちゃんと前後を貫いて囲えるよう、バッテリーなどをわざわざ移設したという。
また荷台の左右のあおりには「Daihatsu Emoishi Choou Omoroide(ダイハツ、エモいし、ちょーオモロイで)」の文字が入り、こちらも頭文字を取るとDECO=デコになるというのだから、ホンキで見る人を楽しませたい、という思いがひしひしと伝わってくる。
インテリアもこれまたびっくり仰天だ。実際のデコトラで使用されている「金華山」模様の生地を模したオリジナルのものを採用。歴代ハイゼットのフロントマスクに加え、池田市と中津市の花であるサツキツツジと菊の柄、そして池田市のマスコットであるウォンバットまで図柄に取り入れるという手の込みようだ。

もちろんシフトノブは水中花タイプで、天井に目を向ければシャンデリアとナイアガラがお出迎え……これらの電飾は軽自動車の低いルーフに合わせて改造されたものとなっているようで、眩暈がするレベルのこだわりようだ。
そして荷台部分は、跳ね上げ時の角度を活かして子どもたちが遊べる輪投げとした。こちらも輪が入る棒の部分は水中花シフトノブ、そして投げ入れる輪はステアリングカバーと同じ柄のものを使用するなど……ここまでくるともはや天晴れとしか言いようがない。

聞けば今回の開発を担当した方は昔からデコトラが大好きで、サービスエリアに停まっている本物のデコトラのドライバーに質問したり、ショップ巡りをしていたそう。それだけの熱意を持って製作されたからこそ、「大発命」は見る人を心から楽しませる魅力に溢れていたと思う。
文=ENGINE編集部 写真=神村 聖/ENGINE編集部
(ENGINE Webオリジナル)