2026.03.16

CARS

“史上最もインテリジェント”なボルボへ 新型EX60が見据える未来

フロントのデザインはEX30と同系統ながら、タイムレスな美しさを湛えるEX60。先ごろ発表されたインゲンラートのチーフデザイナー復帰も楽しみだ。

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この度公開されたボルボの新たなBEV「EX60」。その開発に込められた想いを自動車評論家の大谷達也が、ストックホルムの現地会場からレポートする。

見ていると、すーっと心が安らぐ。スカンジナビアン・デザインをまとったボルボには、そんな効果が備わっているように思う。

それは2026年1月にストックホルムで発表された最新EV “EX60” も同じこと。そのデザイン言語は、2023年に発表されたEX30と共通で、日ごろ路上で遭遇するトーマス・インゲンラート作のボルボよりもひと世代新しいものだが、それでも、EX60はEX30より穏やかで落ち着いたたたずまいを見せる。そして、そこには私たちがボルボに期待する“美しさ” が宿っているように思えた。



もっとも、EX60は単なる懐古趣味のモデルではない。それどころか、部品点数の大幅削減と軽量化に役立つメガキャスト、スペース効率と航続距離拡大に貢献するセル・トゥ・ボディー、自動車のソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)化を促進させるコアコンピューティング・システムといったテクノロジーを採用。「EVのデメリットをすべて取り除いた」とボルボが豪語するほどの自信作となった。

これまでのボルボでは見たこともなかったような大型ディスプレイと、上下を水平に断ち切ったデザインのステアリングホイールを採用したEX60。ただし、インテリア・デザインや素材はボルボの文法どおりで、未来的というよりはシンプルで安らぎが感じられる仕上がりとなっている。

こうした刷新は、従来のガソリン車の発想に囚らわれず、EV専用車としてゼロから開発したことで実現できたという。なお、プラットフォームは「SPA3」と呼ばれるが、従来のSPAとは事実上、無関係との説明を受けた。

EV推進は変わらず

ちなみにEX60の航続距離は最大810kmに達し、今後ヨーロッパでの普及が期待される400kWの急速充電を用いれば10分間の充電で最大340kmの航続距離が稼げる模様。インフォテイメント系にはグーグルのシステムを全面採用。自然な発話を理解する能力もさらに高まったという。

バッテリーの実質容量には80kWh、91kWh、112kWhの3タイプがあり、最高出力は順に374ps、510ps、680psを発揮。駆動方式は80kWhがRWDで、91kWhと112kWhはAWDとなる。

ボルボがここまで力を入れてEX60を開発した背景には、自動車の電動化を強力に推進したいとの思いがある。2年前に発表された電動化戦略の見直しにしても、ホーカン・サムエルソンCEOによれば「一部市場の事情にあわせただけ」で、ボルボが今後もEVを推進することには変わりないという。

英国での価格は1000万円を優に超えると発表されたEX60。早ければ2026年中にも日本上陸を果たす見込みだ。



文=大谷達也 写真=ボルボ

(ENGINE2026年4月号)
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