イタリアから注目に値する一台の美しいEVが上陸した。その名はフィアット 500e ジョルジオ アルマーニ コレクターズ エディション。 このクルマは、人と街を豊かにする。僕らはこんな電気自動車を待っていた。
クルマの力
服には力がある。カラフルな色の服を着れば、ふさぎ込んだ気分を明るくすることができるし、スーツのようなきちっとしたデザインの服を選べば気持ちもシャキッとする。
さらに言えば、着る人だけではなく、周りの人の気持ちまで変えてしまうのが、服の力のすごいところだ。エレガントな服を着た女性がいるだけでその場が華やかになるのはよくあること。もっとすごいのは、街まで変えてしまうことだろう。パリやニューヨークのようにファッションに気を配る人々が集まる街には、その街ならではの雰囲気がある。

同じことが、実はクルマにも言える。自動車メーカーもファッションブランドも、そのことがよくわかっていることを象徴する一台のクルマが、このほど日本に上陸した。フィアット 500eジョルジオ アルマーニ コレクターズ エディションがそのクルマだ。
メイド・イン・イタリー
フィアットとジョルジオ アルマーニのコラボレーションはこれが初めてではない。実は電気自動車の500eがデビューしてすぐの2020 年に一度、5 0 0 e ジョルジオアルマーニというワンオフ・モデルをつくり上げたことがある。そんなフィアットとジョルジオ アルマーニは、今回再びタッグを組んで見事に「メイド・イン・イタリー」を体現したクルマを誕生させた。

フィアット 500eジョルジオアルマーニ コレクターズ エディションは、まさにイタリアのクラフツマンシップの真髄を象徴している。トリノのフィアット・チェントロ・スティーレとアルマーニ・スタイル・センターのデザイナーたちは、真のコレクターズ・エディションと言えるクルマのために数ヶ月にわたって集中的に作業を行い、互いの哲学と芸術性をこの一台に込める努力を重ねたという。素材選び、色、デザインはもちろんのこと、職人の技、最先端の加工技術など、その細部へのこだわりには、新型モデルや新たなファッションコレクションの製作に匹敵する情熱が込められている。

そのボディカラーには、ジョルジオ アルマーニのスタイルとテイストを反映したダークグリーンメタリックと、洗練されたグレーとベージュを融合したセラミックグレージュの二色が用意され、唯一無二のコレクションに特別な雰囲気と高級感を与えている。シックなダークグリーンメタリックとエレガントなセラミックグレージュを纏うエクステリアに共通するのは、華美な装飾を抑えたミニマルかつモノトーンの、これぞアルマーニと言える大人の美学だ。
さらに、外観で一際目を惹くのはGAのロゴをデザインした専用のホイールだ。驚くのは、このホイールには、外周を縁取る横溝がロゴを立体的に浮かび上がらせながら、尚且つ空力効率も向上するという、美と機能を両立するエンジニアリングが貫かれていることだ。

一方、インテリアはシート中央の背もたれに施された特徴的なシェブロンステッチの立体的なパターンが、細部にこだわる高級感のあるクラフツマンシップを感じさせる。なかでも最新のレーザーカット技術を用いて加工されたウッドを配したダッシュパネルは、先端技術と職人技を融合しながら、これまでにない質感と手触りを実現している。


また、専用装備としてシートのヘッドレストにもGAのロゴがエンボスされ、ダッシュボードとドアトリム、リアウィンドウモールにはジョルジオ アルマーニのサインが施されているほか、フルLEDインフィニティデザインヘッドランプやガラスルーフ、プレミアムJBLオーディオシステム、さらに先進の運転支援システムなども装備される。
重要なのは美意識
イタリアを代表するふたつのブランドのコラボレーションが、なぜいままた実現することになったのか。そこに共に持続可能な未来を築こうとする強い意志が感じられるのは間違いない。さらに、この500eジョルジオ アルマーニ コレクターズエディションが語りかけてくるのは、そのとき重要なのは美意識だということだ。


それを象徴するひとつの映像がある。500eジョルジオ アルマーニ コレクターズ エディションのプロモーションのために製作された「オベーション」というコマーシャルだ。一台の500e ジョルジオアルマーニ コレクターズ エディションがミラノの街を駆け抜ける映像は、電気自動車が刺激的で魅力的であることを強くイメージさせる。しかし、それだけでは終わらない。最後にたどり着いたのは、高級ブランドが軒を連ねる世界一のファッションストリート、モンテナポレオーネ通りだ。そして両脇からたくさんの観衆が祝福する一夜限りのキャットウォークとなったこの通りを、500eジョルジオ アルマーニ コレクターズ エディションがゆっくりと進むと、映像は「運転するな、着るんだ(Don’t drive it,wear it)」というメッセージで終わる。
いま大事なのは、人の感情や喜び、そして社会的な責任感までを刺激する「美」だ。この世界初の「着るクルマ」はそれを伝えようとしている。なんとワクワクするクルマだろう。日本での発売はもうすぐだ。
文=塩澤則浩 写真=ステランティス ジャパン

(ENGINE2026年4月号)