2026.04.16

CARS

まるで美術品!眺めているだけでも素晴らしい|菰田潔ら3人のモータージャーナリストがレンジローバー・スポーツSVエディション・ツーP635に試乗

小沢コージさん、菰田潔さん、藤野太一さんが試乗したレンジローバー・スポーツSVエディション・ツーP635

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毎年恒例「エンジン・ガイシャ大試乗会」、2026年もやりました! 大磯プリンスホテルの大駐車場に総勢33台の輸入車を一挙に集め、33人のモータージャーナリストがまる一日かけてイッキ乗り! 2026年上半期イチオシの各ニューモデルにそれぞれ5人のジャーナリストが試乗した、計165本のインプレッションを順次公開。

今回はレンジローバー・スポーツSVエディション・ツーP635に試乗した小沢コージさん、菰田潔さん、藤野太一さんのリポートをお送りする。

>>>清水和夫さん、渡辺敏史さんのリポートはこちら<<<


「ほっぺたをつねりたくなる」小沢コージ

レンジローバーと言えば、砂漠のロールス・ロイス。全長ほぼ5m×全幅2m超えの巨体があり得ない安定感と共にサルーン並みの重厚感で走るSUVだ。

だが試乗車はそれに加え、あり得ないスポーツ性を加味した物理法則無視のモンスター。BMW製4.4リッター V8ツインターボをベースにしたパワーユニットは635馬力&750Nmを発揮し、0-100km /h加速はなんと3.8秒。これはほとんどスーパーカー並みのスペック。

さらにオプションで選べるタイヤ&ホイールが凄く、なんと23インチ! こんなにハードな足元を持っているのに、乗り心地はやっぱりレンジローバー風味だから凄い。



秘密は世界初の「6Dダイナミクス」で可変式油圧ダンパーとエアサスで制御するスタビ無しのセミ・アクティブ・サス。コイツがまた凄く、全高1.8m超えなのにほぼロールらしいロールがなく、クイクイあり得ないほど曲がる。

乗ってると本当に不思議で、味わいはレンジローバーなのにひたすら速く俊敏で上質。久々に走りながら自分のほっぺたをつねりたくなったほどだ。

「並みのスポーツカーは敵わない」菰田潔

イギリスでは審美眼を持つ皇室や貴族の方々が満足すると言われるほど質感高く造られたクルマ。

特に肌に触れるシートやインテリアは、使われる素材や色、感触にまで細かく気を配っており、まるで美術品のように眺めているだけでも素晴らしさが伝わってくる。



こうした造りの良さは走りのパフォーマンスにも表れている。ネーミングの“635”はエンジン・パワーを示す。2570kgの車重だがアクセル・ペダルを床まで踏み込めばシートバックに押し付けられるほどの加速が味わえる。0-100km /hは3.8秒。大きなボディながら並みのスポーツカーは敵わない。

しかしペダルのゲインはけっして高くなく過激な動きにはならないところも貴族のクルマとしてふさわしい。あくまでもスムースにジェントルに振る舞ってくれるよう躾けられているのは流石だ。

エアサスはストロークもたっぷりあり、もちろんあたりもまろやかでどんなスピード域でも快適。EPCのRNさんも助手席でイギリス貴族のしなやかな乗り味を充分に堪能できたと思う。

「もうため息しか出ない」藤野太一

カーボン製のボンネットはあえて地肌を一部残してペイントが施されている。よくよくみれば23インチのホイールまでカーボン製である。量産車では世界初という。スポークの奥には巨大なブレンボ製ブレーキ・キャリパーと世界最大級のデュアル・キャスト・ブレーキ・ディスクがのぞく。車名にある635psを受け止めるには、やはりこれくらいのストッピング・パワーが必要なのだ。

コンフォート・モードで走っているぶんには、荒々しさのようなものはまったくない、まさにラグジュアリー・カーの様相である。一方でSVモードを起動すると、車高が15mm低くなり6Dダイナミクス・サスペンション・システムがロール、ピッチを抑制、ダンパーの減衰力を最適化し、まるでスポーツカーのようなシャープなハンドリングをみせてくれる。



そしてBMW M社製4.4リッター V8ツインターボ・エンジンは、2.5トン超のSUVの0-100km /h加速をわずか3.8秒で成し遂げる。もうため息しか出ない。史上最速の、だけどまごうことなきレンジローバーなのだ。

■レンジローバー・スポーツSVエディション・ツーP635
試乗車はレンジローバー・スポーツの25年モデル限定グレードとして導入されたSVエディション・ツー。ただ26年モデルよりレンジローバーで先行していた「SVビスポーク・サービス」がスタートし、現在はSV系モデルは3車種に。搭載される635ps/750Nmを発揮する4.4リッターV8ターボは8段ATとモーターを介して4輪を駆動。全長×全幅×全高は4970×2025×1815mm。軸距は3000mm。車重は2570kg。価格は2474万円。

写真=神村聖/望月浩彦/小林俊樹/茂呂幸正

(ENGINE2026年4月号)

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