毎年恒例「エンジン・ガイシャ大試乗会」、2026年もやります! 大磯プリンスホテルの大駐車場に総勢33台の輸入車を一挙に集め、33人のモータージャーナリストがまる一日かけてイッキ乗り! 2026年上半期イチオシの各ニューモデルにそれぞれ5人のジャーナリストが試乗した、計165本のインプレッションを順次公開。
「ザックスのダンパーがすごくいい」というA110シリーズの世界770台の限定車、アルピーヌA110 R70には、今尾直樹さん、山本シンヤさんが試乗。そして「やめないで!」の声にアルピーヌ・ジャポンの広報担当者はどう答えたのか?
>>>国沢光宏さん、河村康彦さん、田中誠司さんのリポートはこちら<<<
「旋回が楽しい!」今尾直樹
助手席のEPC会員さんはA110GTのオーナーで、このクルマの同乗を楽しみにしておられた。R70とご自分のGTとで、どこがどう違うのか、興味津々だったのだ。
3度目のRバージョンたるこちらは、カーボン・ホイールを復活させて軽量化を図った、世界限定770台のアルピーヌ・ブランド創立70周年記念モデルである。
5点式シートベルトにミシュランのセミスリック・タイヤ、カーボンのリア・ウィングと、サーキット走行を意識しまくっている。

最高出力300ps。公道ではさぞかし……と覚悟して走り出したら、なんとフツウに乗れる。若干硬めながら、西湘バイパスの目地段差もしなやかにこなしてショックを伝えない。ルノー広報のS氏いわく、「ザックスのダンパーがすごくいい」のだ。
中高速コーナーをオン・ザ・レールで走っていると「気持ちいいですね~」と同乗者も感心。旋回が楽しい! うねった路面では軽く跳ねる感じがするところも見せどころだ。
これぞ「人生のご褒美」の一等賞。生産終了は見直すべきでしょう。
「贅沢の極み!! 」山本シンヤ
電動化の波を避けて通ることができないアルピーヌの「最後の砦」となるのがアルピーヌA110だ。
実用性と趣味性を絶妙なバランスで成立させたミドシップ軽量スポーツだが、数多くのバリエーションの中で最もサーキットにベクトルを向けたモデルが“A110 R”だ。ちなみにRはラディカル(過激な、極端な)を意味する。

一般道……それも氷点下近い状況での試乗は「場違い」だと思ったが、試乗して「あれっ」といい意味で肩透かし。車両重量はカーボンパーツ満載で1120→1090kgまでダイエット。数値以上の軽快な動きはもちろん、軽量モデルのペラペラッとした安っぽさは微塵もなく、むしろ強靭さはポルシェ911並み。公道レベルでは常に安定方向だが、クローズドで限界を試すとピリッと火傷しそうな刺激的な挙動に「君、解っているよね」と思わずニヤリとさせる確信犯的ハンドリング。
0-100km/hは3.9秒、最高速は280km /hとなかなかの俊足だが、それより軽さをいかしたコーナリングのほうが断然印象に残る。速さは慣れるが、気持ち良さは永遠に残る、これぞ贅沢の極み!!
最後のA110は3月末まで! アルピーヌ・ジャポン/佐藤渉さん
A110は2026年6月で生産を終了します。現在、日本ではGTSとR70の2モデルを通常販売しています。ノーマルのA110はすでに25年に限定車扱いになっていますので、現在、色などを選んでオーダーできるのはGTSとR70のみということになります。そして、そのオーダーを終了するのが26年3月末となります。日本向け生産台数の上限というのがありますので、ご希望の方はできるだけ早くオーダーすることをお勧めします。

写真=小林俊樹/神村聖/望月浩彦
■アルピーヌA110 R702017年の世界初公開から9年。世界中からたくさんの称賛を浴びた2代目A110がいよいよ終焉のときを迎える。R70はRシリーズの第3弾で、再びカーボン製のホイールが標準装備となった。1.8リッター直4ターボはGTSと同じ300ps/340Nmを発生する。全長×全幅×全高=4255×1800×1240mm。ホイールベース=2420mm。車両重量=1090kg。車両価格=1790万円。
(ENGINE2026年4月号)