2026.04.20

CARS

予想以上に地に足のついた走り|清水和夫ら3人のモータージャーナリストがボルボEX30ウルトラ・ツイン・モーター・パフォーマンスに試乗

大谷達也さん、九島辰也さん、清水和夫さんが試乗したボルボEX30ウルトラ・ツイン・モーター・パフォーマンス

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毎年恒例「エンジン・ガイシャ大試乗会」、2026年もやりました! 大磯プリンスホテルの大駐車場に総勢33台の輸入車を一挙に集め、33人のモータージャーナリストがまる一日かけてイッキ乗り! 2026年上半期イチオシの各ニューモデルにそれぞれ5人のジャーナリストが試乗した、順次公開している計165本のインプレッションもいよいよ最後。トリはこのクルマ!

今回はボルボEX30ウルトラ・ツイン・モーター・パフォーマンスに試乗した大谷達也さん、九島辰也さん、清水和夫さんのリポートをお送りする。

>>>藤野太一さん、吉田由美さんのリポートはこちら<<<

「サイズは小さくとも志は高く」大谷達也

決して早足ではないのに、しっかりとした歩みで一途に進んでいるうち、いつの間にか世の中の先頭に立っていた……。ちょっと抽象的ですが、私は北欧の人々の生き方にそんなイメージを抱いています。

ボルボのクルマ作りにも似たところがあります。自動車界ではほとんど見向きもされなかった時代から安全性を追求していたボルボ。その活動はとても地味でしたが、世界中の自動車メーカーが安全性と環境性能を重視し始めたおかげで、地味だったはずのボルボがいつの間にか時代の先頭に立っていた。現代の自動車産業を、そんな構図で捉えることもできると思います。



EX30は、そんなボルボの最新EV。サイズは小さくとも志は高く、ミニマルなデザインのそこかしこに北欧のセンスがちりばめられています。

ちなみにパワー・ウィンドウのスイッチがセンター・コンソールに集約されているのは配線を最小限に留めるため。そんな心遣いをウチに秘めたEX30は「人生のご褒美」であると同時に「地球へのご褒美」でもあるような気がします。

「カーガイをも納得させる」九島辰也

クルマ好きにとってBEVはひとつ壁があるかもしれない。それはドライブ・フィーリングで、アクセルを踏み込んだ時のリニアな加速やサウンド、振動などに味を求めてしまうからだ。とはいえ、加速やコーナーでのクルマの挙動という面で内燃機関好きカーガイを納得させてくれるBEVがある。このボルボEX30ウルトラツイン・モーターはその中のひとつで、かなり楽しい走りを見せてくれる。



その理由は、EX30シリーズはリア駆動をベースにしていること。内燃機関ではFWDがメインだが、BEVでは逆にRWDをデフォルトにしている。今回の4WDを意味するウルトラ・ツイン・モーターもセッティングはそれらと同じで、標準モードではほぼRWDで走る。フロント・モーターを使うのは加速時や路面状態でトラクションが必要になった時くらいだ。

この他に個性的なのはスターター・スイッチがないこと。ドライバーズ・シートに座ってシートベルトをし、セレクターをDレンジにすればあとはアクセルを踏むだけ。同乗したTOさんはそんなことも知っているクルマ好きだった。

「ボルボの哲学がよく分かる」清水和夫

強烈な個性を放つエンジン車(HEV)に乗った後で、ボルボEX30クロスカントリーを試した。このクルマはバッテリーEVなので、静かで軽やかに走る。コンパクトだが未来感は満載。物理スイッチも少なく、ドライバーの望むことを素直に受け入れてくれる。例えるなら、テメラリオとは別の惑星からやってきたクルマだ。

親しみやすさは満点で、街中で見かけると「ほっとする」。私が個人的に嫌う言葉は「権威」だが、ボルボは権威とは最も遠い、リベラルでクラスレスなブランドではないだろうか。それはスウェーデンという国の文化を映しているのだと思う。



全長が短く、タイヤが四隅に配置されたパッケージはロード・ホールディングに優れる。実際に走らせると、予想以上に地に足がついた走りを見せる。シート、ドライビングポジション、視界も良好で、安全を重視するボルボの哲学がよく分かる。

動物で例えるなら、異星からやってきたシロクマの赤ちゃんのような存在だ。

■ボルボEX30ウルトラ・ツイン・モーター・パフォーマンス
ボルボEX30最速モデルが試乗車のウルトラ・ツイン・モーター・パフォーマンス。69kWhのリチウムイオン電池を搭載し前後2つの永久磁石同期モーターにより前後輪を駆動。前後のモーターは156ps/20.4kgmと272ps/35kgmを発揮。全長×全幅×全高は4235×1835×1550mm。軸距は2650mm。車重は1880kg。価格は629万円。

写真=望月浩彦/小林俊樹/神村聖/茂呂幸正

(ENGINE2026年4月号)

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