2026.06.04

CARS

数値化しにくい“感覚的な扱いやすさ”を見事に作り込んでいる|自動車評論家の斎藤聡がプジョー208GTほか5台の注目輸入車に試乗

斎藤聡さんが試乗した5台の輸入車のインプレッションを紹介!

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2026年上半期イチオシのニューモデル33台にそれぞれ5人のジャーナリストが試乗した、計165本のインプレッションを順次公開している恒例の「エンジン・ガイシャ大試乗会」のリポート。今回は自動車評論家の斎藤聡さんが試乗した、5台のインプレッションを一挙紹介! 

アバルト500eツーリズモ・ハッチバック「サソリの毒は後から効く」

昨今の地球規模のEV化の動きは、世界中をカオス状態に陥れた結果、ひと回りしてユニークなBEVが登場することとなりました。その代表的な一台がアバルト500eだと思います。街中を買い物の足としてゆっくり走っているときは、特に刺激もない平凡なクルマであり、普通のBEVです。



ところが、有料道路の短い合流でアクセルを目いっぱい踏み込むと、文字通り脱兎のごとく鋭く加速します。このあたりにアバルトの片鱗を感じます。そして、本領を発揮するのは山道に踏み込んだ瞬間です。

 マイルドな乗り心地と静かさはがらりと変わり、鋭く加速し、カーブでは重心の低さが手伝ってビタッ! とタイヤが路面に張りついたかのようなコーナリングを披露します。機敏さと安定性を見事に両立させているのです。面白いことに、飛ばすとマイルドさが影を潜め、シビアさと刺激が表に出てきて、ドライバーをチクチク刺激するのです。帰るときにはアバルトの魅力にどっぷり。サソリの毒は後から効いてくるのです。

フェラーリ12チリンドリ「硬派で頑固」

フェラーリは硬派であり頑固である。最近改めてそんな印象を持っている。ハイパワー化、シャシー性能の進化、電子制御系の進化によって、クルマの限界は驚くほど上がっている。



一般的にはそれをマイルドに味付けするのだが、フェラーリは、限界が上がればその分コントロール性もシビアになるという、至極当然の道理のままにクルマを作っている。だからフェラーリ12チリンドリの限界性能も容赦なくシビアだ。

もちろんエンジンはビックリするくらいフレキシブル。でもアクセルを深く踏み込むと容赦なくパワーが噴出する。

6.5リッター V12気筒(830ps,678Nm)は、気温10度以下ではタイヤが全然温まらない。冷えた状態では遠慮会釈なく足元をすくわれたようにスパッと滑る。とても9500回転のレブリミットまで踏み切れない。

それが、タイヤが温まると、ガシッとタイヤが路面をとらえレブリミット直前までタコメーターの針を持っていくことができるようになる。そこで奏でられる12気筒サウンドは文句なしに至高。

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