2026.05.02

CARS

内燃機関を越えた!? ポルシェ「カイエン・エレクトリック」と「ターボ・エレクトリック」にスペインで試乗

ポルシェ「カイエン・エレクトリック」に試乗した

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ポルシェが送り出すBEV第3弾「カイエン・エレクトリック」。進化したバッテリーと熱マネジメントにより、電動化の常識を塗り替える一台だ。果たして内燃機関車を超えたのか、モータージャーナリストの清水和夫がその実力を試した。

フル電動化されたカイエンに乗る

もし筆者がBEV(バッテリーEV)を買うとしたら、何に価値を見出すのか。

他のBEVにはない電気自動車ならではの魅力はあるのか。しなやかさか、鋭い加速か。充電性能や回生ブレーキの完成度はどうか。航続距離はもちろんだが、充電時間の短さはより重要だ。加えて、ハンドリングの楽しさや快適性はどうか。内燃機関車を超える領域に達しているのか。

カイエン・エレクトリック・ターボの車両本体価格は2101万円。

BEVで出遅れていた日本メーカーも、ようやく魅力的なモデルを揃えつつある。食わず嫌い的な存在だったBEVも、いまや無視できないトレンドとなった。補助金やインフラ整備も進むなか、ポルシェからカイエンBEVの国際試乗会の案内が届いた。初のBEVであるタイカンの日本発売から6年、マカン・エレクトリックに続く3作目となるカイエンに、大きな期待を抱いた。

カイエンBEVの概要を簡単に説明すると、ボディは標準とクーペの2種類が用意され、パワープラントは113kWhの巨大なバッテリーを主軸に、ベースモデルの「カイエン・エレクトリック」とパワフルな「カイエン・ターボ・エレクトリック」の2種類が選択できる。

カイエン・エレクトリックの0- 100km/h加速は4.8秒と常識的だが、最強モデルのカイエン・ターボ・エレクトリックはフルブースト時に2.5秒を記録する。そのときの最高出力は1156馬力で、もはや常識外のスペックだ。

両モデルとも同じ113kWhのバッテリーを共有するが、ターボの速さは後輪モーターのポテンシャルにある。しかし、ビッグパワーを発揮するほどモーターは熱にさらされる。そこでフォーミュラEで培った油冷技術で熱のマネジメントを強化している。これはヴァイザッハ開発センターのレース部門のノウハウであると聞くと、なるほどと納得できる。

バッテリーは、上下から冷却するデュアルレイヤー構造が採用され、発熱を抑えて安定したパフォーマンスを維持する。

プラットフォームは、アウディと共同開発したPPE(プレミアム・パフォーマンス・エレクトリック)をマカン・エレクトリックやQ 6e-tronに採用しているが、カイエンにはそれをベースとした「PPE-C」を採用。より大型で高性能なモデルに対応する設計だ

ボディは従来型より全長を伸ばしつつ全高を抑え、ホイールベースは3023mmへと拡大。タイヤを四隅に配置したBEVらしいプロポーションとした。一方で、4WSにより最小回転半径は5.4mと取り回しにも配慮されている。

運転席前からセンターにかけて大型ディスプレイが横一列に広がり、ひと目で情報を把握できるコクピット。

インテリアは、洗練されたデジタルコクピットが使いやすい。関心したのはヘッドアップディスプレイで、フロントウィンドーに映し出される速度などの表示は、感覚的には10m以上先に見える感じだ。従来までのものは、手前すぎると感じていたので、高速走行ではありがたい。

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