数々の時計ブランドでセールスやマーケティングを担当してきた飛田直哉氏がプロデュースする時計ブランドのNAOYA HIDA & Co.。ごく少量のみ生産される同社のタイムピースは、時計愛好家を唸らせるものばかりだ。その最新のコレクションを『THE RAKE JAPAN EDITION』編集長の松尾健太郎がリポートする。
NAOYA HIDA & Co. NH TYPE 1D

高級時計に精通した飛田直哉氏がプロデュースする時計ブランドのNAOYA HIDA & Co.は、熟練職人による手作業と最新の微細加工機による切削技術を巧妙に組み合わせた現代のヴィンテージ ウォッチ。
「NH TYPE 1D」は、2019年に初めて発表された「NH TYPE 1」シリーズの第四世代モデル。シリーズ初のスクリュー・ケースバックに加え、3つの部品から構成されるダイアルや、新たにデザインされたスモールセコンドなどが特徴。
手巻き。ステンレススティール、ケース直径37mm、5気圧防水。2025年~26年に15点程度を生産予定。269万5000円。
ブランドの成長を間近で見てきた

「時計にあまり詳しくない松尾さんに選ばれたことを、むしろ喜ばしく思います」
これは数年前、NAOYA HIDA & Co.の飛田直哉さんが、愛機TYPE1C納品のときに述べた言葉である。まさに痛いところを突かれたわけだ(笑)。
飛田さんは、彼がブランドを創業する前からの友人である。だから、ひとりの男がゼロから工房を立ち上げ、孤高の哲学を宿した時計を世に送り出し、世界中の蒐集家を熱狂させていくさまを、間近で見続けている。
まるで、パテック フィリップやオーデマ ピゲの草創期に立ち会っているかのような昂揚を覚える。日本からもようやく真の意味での「ラグジュアリー・ブランド」が生まれつつあるのだ。
現在ではあまりの人気に供給が追いつかず、購入の権利を得るためには小論文を提出しなければならないという。飛田さんは友情に篤い人だが、公私混同はしないから、今なら私はきっと落第だろう。
問い合わせ=https://naoyahidawatch.com
文=松尾健太郎
(ENGINE2026年5月号)