2026.04.30

CARS

トヨタMR2ランチア版 このクルマのことは知らなくても、ランチア・ラリー037の始祖といえばピンと来る人は多いはず ランチア・ベータ・モンテカルロを画像で振り返る【オートモビルカウンシル2026】

2026年4月10日から12日までの3日間に千葉・幕張メッセで開催されていたオートモビルカウンシル2026のテーマ展示は、Designed byピニンファリーナがテーマ。5台の展示車のうち、やや異色にも思えるのが「ランチア・ベータ・モンテカルロ」だ。

パオロ・マルティンの作品


流れるような曲線的デザインが際立つほかの4台とは趣の異なる、直線と平面が多用されたスタイリングは、「ディーノ・コンペティツィオーネ」や「ロールス・ロイス・カマルグ」などを手がけたパオロ・マルティンの作品。


フィアットになるはずだった


当初はフィアットが、X1/9より上位のX1/20とするべく開発を進めていたが、最終的には1976年、傘下の上級ブランドであるランチアで商品化されるという、紆余曲折を経て世に出たクルマだ。

トヨタMR2のランチア版と言ってもいい、「ベータ・モンテカルロ」。このクルマをフィアットは当初FFを想定していたが、開発途中で横置きミドシップに変更。そのため、フォルムは一見するとフロントエンジンを思わせる。エンジンは1995cc直4を搭載。無塗装樹脂のノーズやルーフ後端に畳み込めるソフトトップなど、目新しい要素も随所に盛り込まれた意欲作だったが、1978年には生産を一時終了する。


レースモデルに発展し活躍


1980年に、シリーズ2と呼ばれる改良型が再登板。車名はベータが外れ、「ランチア・モンテカルロ」に変更。肩越しの視界を遮るトンネルバックのフィンにガラスを設置し、フロントグリル形状も変更。ホイールが13インチから14インチへ拡大されるなど、さまざまな改良を施されたが、オリジナルの端正な顔立ちやスマートなプロポーションは維持された。展示されたのはこのシリーズ2だ。

1979年にはベータ・モンテカルロ・ターボとして、グループ5規程のレースカーを製作。ストラトスのあとを受けて活躍し、やがて037とも呼ばれる「ランチア・ラリー」へと発展していく。ランチアのスポーツモデルとモータースポーツの歴史においても欠くことのできない、重要なピースでもある。

この全長4mに満たないミドシップカーは、大企業フィアットの要望を随時取り入れつつ、デザインから車体製造まで手がけたピニンファリーナの苦心を今に伝える、歴史の生き証人なのだ。



文・写真=関 耕一郎 編集=新井一樹

(ENGINE WEBオリジナル)

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