「愛車に乗っている時間が一番幸せです」そう語るのは、吉本芸人のすっちーさん。前篇では5カ月をかけた愛車のカスタムに迫ったが、後篇ではその背景にある「クルマ愛」に焦点を当てる。
バイクが好きだった
若い頃はクルマよりもオートバイが好きだったというすっちーさん。
「16歳で自動二輪の免許を取ってスズキGSXR400に乗っていました。3型で赤白のヨシムラ・カラーでした。そのあとは1989年モデルのホンダNSR250。漫画『バリバリ伝説』を読んでました(笑)。
最初のクルマは父のトヨタ・マークIIワゴンでした。商用車みたいだった。19歳だったかなあ、知り合いが86トレノを15万で売ってくれたんです。『頭文字D』が流行る前です。それをカルソニック・スカイラインと同じブルーに塗って。トヨタなのに(笑)。ちょこちょこトラブルが出るようになって、もっと安定したクルマにしようと思い、スズキ・ワゴンRに乗り換えました」
この頃、芸人の世界に入ったすっちーさん。しばらくバイクやクルマから離れた生活が続いていく。
2014年、吉本新喜劇の座長になったすっちーさんは、クルマ購入を決意、レクサスRXを手に入れた。
「RXは2022年にフルモデルチェンジしたんですけど、新型がどうも自分にはピンと来なかったんです。クルマどうしようかなあ? と思っていたところにウィードさんとの出会いがあり、バチン! とはまった感じです」
いまはハイラックスサーフに乗っている時間が一番楽しいそうだ。

「しつこいですけど、めっちゃ、気に入ってます(笑)。僕、人に褒められたりすると、ちょっと照れくさいんですけど、あのクルマが“カッコええな”と言われると、“せやろ!”と即答です。“僕、似合ってるでしょ”と、追い打ちをかけたい」
ハイラックスサーフが来てからは、すっちーさん自身にも変化が起きたという。
「服とか靴とかを買う時も“あのクルマに乗ったときに似合っているか?”というのが頭に浮かぶようになりました。車内で聞く音楽もクルマの雰囲気に合うサザン(オールスターズ)が増えたりして(笑)」
運転も優しくなったという。
「京都の祇園花月で行う公演にもハイラックスサーフに乗って行きました(2025年8月閉館)。本当に通勤が楽しい。ハイラックスに乗ると、見られている感覚がいつもあります。運転も丁寧で行儀よくなりました。京都ではインバウンドの方々が僕のクルマの写真を撮るんです。スーパーの駐車場で外国人の方にサムアップされたり。海外の人がいいねと言ってくれることが多いですね」
あまりにもハイラックスサーフが好き過ぎて車中泊をしたという。
「マンションの駐車場で。窓に目隠しを貼ったりして楽しかったです」
座長は4人いるというものの、毎週新作を披露している吉本新喜劇。すっちーさんも常に次はどうしようと考えているそうだ。
「ハイラックスサーフを運転しているときだけ、そのことを忘れられるのも嬉しいです。フラットな気持ちで乗っているせいか、いいアイディアがパッと思いついたりもします」
すっちーさんにとってハイラックスサーフとは何ですか?
「機械なんですけど、生き物というか。友達みたいな大型犬と暮らしている人がいらっしゃるじゃないですか。ああいう感覚に近いんじゃないかな」
いい景色が見られて、ちょっと素敵なカフェがあるようなところを探しているというすっちーさん。お休みの日の楽しみですねと振り返ったら、大阪のおばちゃん、すち子さんが笑っていた。ギャー!
【前篇】吉本芸人すっちー、20年前のトヨタ・ハイラックスサーフを5カ月で大改造 全塗装から内装まで徹底カスタム文=荒井寿彦 写真=筒井義昭 ヘアメイク=北脇茉梨子(Blossom) 撮影協力=GLION MUSEUM
■すっちー1972年大阪府生まれ。木部信彦とお笑いコンビを組み、ビッキーズとして1996年から2007年まで活動する。コンビを解散し2007年に吉本新喜劇に入団。すち子のキャラクターで人気を博す。2014年には吉本新喜劇の座長に就任した。なんばグランド花月のステージをはじめ、NHK『探検ファクトリー』などのテレビ、MBS『ヤマヒロのぴかいちラジオ』などのラジオでも活躍中。
(ENGINE2026年4月号)