2026.05.04

CARS

2026年型トヨタ「GRヤリス」の驚きの進化を体感|使い勝手も向上し、いよいよ買い時到来か!

2026年型のトヨタGRヤリスに試乗した。

全ての画像を見る
毎年のよう改良が行われ、アップデートされるトヨタGRヤリス。その最新モデルとなる「26式」にENGINE総編集長のムラカミが試乗、その進化のほどを確かめた。

ハッキリとわかる大きな進化

2020年に、市販車をモータースポーツ用に改造するのではなく、「モータースポーツ用の車両をそのまま市販化する」という逆転の発想で誕生したGRヤリス。

専用の3ドア・ボディに新開発の1.6リッター直列3気筒ターボ・エンジンを搭載し、これまた新開発のスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」で武装した、公道を走れるラリー・カーともいうべきそれは、世のクルマ好きに熱狂的に受け入れられた。



しかし、今にして思えば、その興奮はまだ物語の序章に過ぎなかったのだ。GRヤリスは、その後も進化を続け、2024年登場の「24式」では新開発の8段AT(GR-DAT)モデルを追加するとともに、最高出力を272psから304psへ、最大トルクを370Nmから400Nmへとアップするビック・マイナーチェンジを敢行。

同時にレースフィールドからフィードバックした視認性の良い専用コクピットやオプションの縦引きパーキング・ブレーキも導入された。



さらに、昨年登場の「25式」では、GR-DATの制御を大幅に熟成させるとともに、エアロパフォーマンス・パッケージを新設定するなどして、走りを進化させてきた。

そして、今年、またしても進化した「26式」が登場したのだから、いったい、いつ買うのが正解なのか、と購入希望者が頭を悩ませるのもムベなるかな。実際のところ、このほど開かれた試乗会で初めて乗った「26式」は、走りについても使い勝手についても、ハッキリとわかる大きな進化を遂げていたのである。

新開発のGRステアリングを採用

「26式」の進化のポイントは、大きくいって3点ある。まず、ひとつ目は新開発のGRステアリングの採用だ。これまでは、他のトヨタ車と同じものを使っていたが、モータースポーツの現場からは「手のひらを理想的な位置に置けない」という不満の声が上がっていたという。スポーク上に装備される細かなスイッチ類も、レーシンググローブをつけた状態で操作するのには適していなかった。



そこで、プロドライバーとともに繰り返し評価を実施し、まったく新しい握りやすいリム形状を持ち、操作性の良い独立ボタン式のスイッチを備えたステアリングを完全に新規で開発したのだという。

正直言って、こんなことがコスト重視の大量産メーカーで本当に実現できたのだから驚きだが、さらに感心したのは、径が5mm小さい360mmになった新ステアリングに合わせて、電動パワーステアリングの設定を、ソフトウェアのみならず、合成の最適化に必要なパーツまで含めて変更していることだ。

全体としては、ノーマル・モードではより軽く、スポーツではよりダイレクト感のある味つけにしたという。これが二つ目。



そして三つ目はタイヤの変更と、それに伴う足回りのセッティングの最適化だ。

これまでのミシュランから専用開発したブリヂストンのポテンザ・レースに履き替えたことで、走行時の騒音を低減しながら、限界領域でのコントロール性を大幅に向上させたのだという。タイヤの剛性が上がった分、乗り心地を悪くしない方向で、ダンパーを緩めて足を動かす方向で調整したようだ。

どこにも緩いところがない

さて、まずはRZハイパフォーマンスの6MTモデルから試乗。ステアリングは握った感触もボタンの操作性も抜群に良くなっている。それに加えて切り込んでいった時の操舵感が素晴らしく、滑らかさとダイレクト感がうまくバランスしている。ノーマルでも軽過ぎず、スポーツでも重過ぎず、しっとりとした味がある



タイヤはずいぶん剛性が上がったようだ。足は少し緩めてあるのだろうが、それでも全体としては少し硬めの乗り心地になったように思う。

しかし、乗り心地が悪いわけではなく、スポーツ・モデルならではの引き締まった乗り味だ。この足回りにもボディの剛性感にもステアリングの操舵感や6MTのシフト感にも、どこにも緩いところがなく、この緻密に組まれた機械を操作している感じは、ホメ言葉になるかどうかわからないが、日本車離れしていると思った。



それでいて、ドイツ車などにはない圧倒的な軽快感がある。ただし、この軽快感は、たまたまエアロパフォーマンスパッケージなしの6MT車だったせいもあるかも知れない。

次に乗ったエアロつきの8AT車では、むしろドイツ車と同じような安定感が際立っていると思った。

しかし、ただ安定しているだけではなく、運転の仕方次第で振り回すこともできる。スポーツ・モードで4WD制御をトラックにして山道を駆け上がるのがすこぶる楽しかった。安定感と軽快感のバランスがよく、まるで自分の腕が上がったかのように気持ち良くコーナリングできるのだ。



昨年夏から生産設備のキャパシティが上がり、手に入れやすくなっているというし、これはいよいよ絶好の買い時到来か! 凄いぞ、GRヤリス!

■GRヤリスRZハイパフォーマンス

駆動方式   フロント横置きエンジン4WD
全長×全幅×全高 3995×1805×1455mm
ホイールベース 2560mm
車両重量 1280kg
エンジン形式 直噴+ポート噴射・直列3気筒ターボ
排気量 1618cc
ボア×ストローク 87.5×89.7mm
最高出力 304ps/6500rpm
最大トルク 400Nm/4500rpm
トランスミッション 6段MT
サスペンション(前) ストラット/コイル
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前後) 225/40R18
車両本体価格(税込み) 503万7200円

文=村上 政(ENGINE総編集長) 写真=トヨタ自動車

(ENGINE Webオリジナル)
タグ:

advertisement



RELATED

advertisement