2026.05.10

CARS

ハンドリングカーとして今でも名高いポルシェのレアモデル、それが914だ ルフト東京に展示されたポルシェを振り返る【ルフト東京画像集パート6】

2シーターミドシップのポルシェ914。718ボクスターの始祖でもある。

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東京・銀座の旧首都高速道路の上で、去る2026年3月14日(土)に開催された空冷ポルシェの祭典、「LUFT TOKYO」(ルフト東京)。2025年の春に廃線となった東京高速道路KK線を舞台に、220台以上の歴代ポルシェと約1万1600人の来場者が集った。

フォルクスワーゲンと共同開発


空冷モデルを中心に多様なポルシェが展示され、1日限りのポルシェ・ミュージアムとなった今回のイベント。展示車両は空冷世代の911が中心になっていたが、かなり少数ではあったものの、ポルシェがフォルクスワーゲンと共同開発したエントリーモデルである914も参加していた。ルフト東京に展示されていた車両のほぼすべてを写真で紹介する今回の企画。第6回目となる最終回は914の歴史を画像とともに紹介する。



912の後継車


ハンドリングがいいポルシェとして、いまでも自動車趣味人の間で評価が高い914は、911の廉価版である912が思ったほど安価にならず、フォルクスワーゲンのパーツを流用することで安価なポルシェを創出しようというプロジェクトにて誕生した。

空冷エンジンを搭載する量産ミドシップ2シータースポーツカーとして1969年に発表された914は912の後を継ぐモデルで、フォルクスワーゲンの排気量1.7リッター水平対向4気筒エンジンを積んだ914と、同世代のポルシェ911Tと同じ2.0リッター水平対向6気筒エンジン(最高出力110ps)を積んだ914/6が市場導入時にラインナップされた。

当初、水平対向4気筒エンジンを搭載している914をフォルクスワーゲン・ブランドで販売し、水平対向6気筒エンジンを搭載している914/6をポルシェ・ブランドで販売する予定だったが、最終的には両社半々の出資でVW-ポルシェ販売会社が設立され、どちらもポルシェ・ブランドで販売。北米を中心に好調なセールスを記録した。


長いホイールベースと短いオーバーハング


914のエクステリアのデザインは、全長に対して長めに設定されたホイールベースと短いオーバーハングが特徴で、グラスファイバー強化プラスチック製の着脱式ルーフセンターパネル、ワイドなセーフティバー、リトラクタブルヘッドライトなどを装備している点が特筆すべきポイントだ。

6気筒モデルの914/6は、1969年から1972年までの間にポルシェの本拠地であるシュトゥットガルト・ツッフェンハウゼンのファクトリーにて3338台が生産され、イグニッションロックをステアリングホイールの左側に配置するなど、ポルシェの伝統的なレイアウトを採用していた。

高性能だが高価すぎることが足枷となり、カタログ落ちすることになった914/6に代わるモデルとしてリリースされた914/2.0は、最高出力100psを発生する水平対向4気筒エンジンを搭載し、スペック的には911T用の6気筒とさほど変わらない性能を誇った。


11万5631台を販売


914は開発コストと生産コストを下げることを目的として、フォルクスワーゲンが有している既存のパーツをできるだけ流用することに努めたが、ポルシェがミドシップというレイアウトにかけた意気込みは並々ならぬもので、フロントがマクファーソン・ストラット、リアがセミ・トレーリングアームというサスペンションも既存品の流用とはいえ気合いが入ったものだった。

ポルシェならではの優れたハンドリングと、フォルクスワーゲン特有の利便性の高さを兼ね備えていた914だが、その個性的なスタイリングから幅広い人気を獲得するまでには至らず、1975年に引退。4気筒仕様の累計生産台数は11万5631台であった。後継モデルとして、フロントに水冷エンジンを積む924がデビューしている。

次回があるのか分からないが、再びルフト東京で歴代の空冷ポルシェを鑑賞できたら幸いだ。

文=高桑秀典 写真・編集=新井一樹

(ENGINE WEBオリジナル)
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