2026.08.19

CARS

キャデラックのシングル・シーター・コンセプト「V-ONE」が世界初公開へ

キャデラックのシングル・シーター・レーシングカー「V-ONE」は、フェラーリのようにカスタマー向けに供給される可能性はあるのでは?

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米キャデラックが、ブランド史上初となるシングル・シーターのコンセプト・モデル「V-ONE」を発表した。

レース由来のハードウェアをドライバーの悦びへ


LMDhレーシング・カーの「V-Series.R(V-シリーズ・アール)」で培った技術と、キャデラックならではの上質さを一台に凝縮した、まさに公道走行可能な競技車両のような存在だ。



「キャデラックV-ONE」という車名は、ハイ・パフォーマンス・ブランドのVシリーズの系譜と、たった1台限りのシングル・シーターであることを示す「ワン・オブ・ワン」を掛け合わせたものという。競技用のハードウェアをドライバー中心の体験へと継承する試みであり、デザイン、パフォーマンス、テクノロジーの3方向からキャデラックのレース由来のストーリーを体現する存在だという。



グローバルでキャデラックのエグゼクティブ・デザイン・ディレクターを務めるドミニク・ナジャフィ氏は「V-ONEコンセプトは、カスタマー向けパフォーマンス・コンセプトの究極形であり、Vシリーズ・ブランドの将来に向けた、我々の意欲を示す明確なサインだ」とコメント。

「V-ONE」のベースとなっているのは、キャデラックのLMDhプログラムであり、レーシング・カーの「V-シリーズ・アール」だ。キャデラック・デザイン、キャデラック・レーシング、そしてシャシー・コンストラクターのダラーラが共同開発し、ファクトリー直系のプロトタイプさながらの性能とテクノロジーを目指したという。

その裏付けとなるのが、2023年の「V-シリーズ・アール」デビュー以来、IMSAとWECを舞台に積み重ねてきた10度の勝利と、16回のポール・ポジション、32回の表彰台という戦績だ。



心臓部は、レーシング・カーの「V-シリーズ・アール」と基本構造を共有するV8ハイブリッド・パワートレインで、システム出力は830psに達する。サスペンションやトランスミッション、一部の電子制御系統も競技車両に近い設計を採用するなど、随所にレース・フィールド直系のアーキテクチャーが息づく。

それでいて「V-ONE」は、より扱いやすい操作性を狙って開発された点もポイント。



コックピットには、ドライバーへ明確なフィードバックとコーチングも行う、レース由来の直感的なインターフェースとデータ可視化機能も備わる。

エクステリアは「V-シリーズ・アール」のドラマチックなプロポーションとビジュアルをそのまま踏襲しつつ、より先進的で技術的、そしてキャデラックらしい高級感を宿すディテールが新たに与えられている。



ボディや全体のプロポーションは継承しているが、新意匠のVシリーズ・ホイールと、ダーク・トーンにアップデートされたVシリーズ・エンブレムが個性を主張。シルバーからネイビーへと変化するハンド・スプレー仕上げのグラデーション塗装は、耐久レースにおける昼から夜への移ろいをモチーフにしたものだという。



「V-ONE」は完全なシングル・シーターで、剥き出しのカーボン構造と、専用開発されたUX/UI、そしてオーナーごとに造り込まれ、ラグジュアリーなキャデラックらしいコックピットへと仕上げられている。

素材にはキャデラック・コレクションのリサイクル・ファブリックも使われ、ドアにはシリアル・ナンバー入りのプレートを装着。シートもドライバーの体型に合わせたものが組み込まれる。



「V-ONE」はあくまで1台限りのコンセプト・カーであり、公式にも非売品と明言されている。とはいえフェラーリなどのレーシング・プログラムのように、将来的に特別なカスタマー向けに市販化の可能性もあるのではないだろうか。

文=上田純一郎 写真=キャデラック

(ENGINE Webオリジナル)

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