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M3、そしてそれに続くM4は、男にとって永遠のアイドル。適度な実用性と無敵の速さを兼ね備えたスーパーマンだ。そのオープン・モデルが、ついに日本にも導入された。1383万円という価格はお安くはないが、あのM4のメタルトップ・カブリオレなのだから、文句があるはずはない。パワーユニットは、BMW伝統のストレート6。3ℓターボで450馬力を叩き出す。車重が1880㎏もあるので、思ったほどのパンチはないが、ドライブ・モードを「スポーツ+」に変更すれば、俊敏すぎるほどのアクセル・レスポンスが、重さを帳消しにしてくれる。
さらにルーフを開け放てば、重さのマイナスは完全な黒字に転じる。サイドやリアは、さえぎる物が皆無になり、開放感の高さは抜群だ。なにしろM4の「コンペティション」だから、足回りも硬派。路面のキックバックがガツンガツンと内臓に響くが、スピードが乗るほどにしっとり落ち着くステアリングと相まって、飛ばすほどにすべてが浄化されるような感覚に陶然とする。
日本の自動車メーカーには絶対作れないクルマだと思う。もっと正確に表現すると、作ったって買う人など少ないだろう。なんせ片や450馬力エンジンを搭載するスポーツ・モデルのM4。
片や3シリーズの4座クーペの屋根をど~んと開けるオープン・モデル。そいつを「パイナップルペン!」の如く合体してしまったのだった。私ごときの価値観だと理解の外側です。でもオープンを買うお金持ちからすれば「もっと良いエンジンないの?」だろうし、M4のユーザーの中にも「エンジン・パワーをもてあますから屋根でも開いたらいいのに」と思う人がいるんだろう。
BMWの場合、アメリカ西海岸や、地中海沿岸に住むリッチ層だけでなく、オープン・モデルのニーズが少ない極東地区でもカタログに載せるほどお客さんがいるということである。それだけで「凄いですね!」と感心しきり。興味深いことに屋根を開けて走るとオープンカーの気持ちよさがあり、閉めればそれなりの剛性感を持っていてM4らしく楽しい。いろんな意味でガイシャの奥行きを感じます。
〔読者コメント〕
●オープンカーにしてシフトアップごとにホイールスピンしながらの強烈な加速は圧巻でした。(杉浦啓修さん) ●風の巻き込みも少なく心地よい乗り味は魅力的。(栗原泰夫さん)
●M4はカブリオレが気持ちいい。M2にもカブリオレが出たら良いですね。(遠山友之さん)
●ハイパフォーマンス・モデルのM4とオープンカーの組み合わせがすごい。(N・Sさん)
●カッチリした乗り心地。速くて安心感もある。それに最高の解放感!。(佐賀勉さん)
●加速が素晴らしいのと内装が白でゴージャス。更にオープン!すべてが備わっている。(横田誠人さん)
●オレンジのボディに白いインテリア。黒好き内装の国産車にはない組み合わせ。外車ならでは。(乃美浩一さん)
●スポーツカーでもあり、オープンカーでもあり、ラグジュアリーカーでもある。1台3役!。(G・Yさん)
M社が鍛え上げた高い運動性能と3分割の開閉式ハードトップによる抜群の開放感を組み合わせた、ある意味で究極の1台。ボンネットの下にはM社謹製の3.0ℓ直6ツイン・ターボ"S55B30A"が収まる。標準のM4でも431ps/56.1kgmを発生するが、コンペティションではさらなるチューニングが施され、450ps/56.1kgmと19psの出力向上が図られている。変速機はデュアルクラッチ式7段自動MTのみ。全長×全幅×全高=4685×1870×1390㎜。ホイールベースは2810㎜。車両重量は同じ仕様のクーペよりも240㎏重い1880㎏となる。価格は1383万円。
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写真=神村聖
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