2019.03.20

CARS

新開発の直列6気筒ターボを持つ、メルセデスEクラスの新顔セダン

〔スポーツ編#08〕〔スポーツ編#08〕Mercedes-AMG E53 4MATIC+/メルセデスAMG E53 4マティック・プラス
異次元の感覚 石井昌道
直列6気筒エンジンに電動スーパーチャージャーとターボチャージャーの過給機2丁がけ、さらに電気モーターのブーストも加わる。そのスペックを知るだけでワクワクがとまらない。直6復活というだけで結構なニュースだが、それを3つのパワー・サプリメントで増強、しかもメルセデスAMGなのだ。ハイパフォーマンスなモデルだが、停止すればアイドリング・ストップが働いて室内は静寂に包まれるのが何やら不思議。
エンジンの再始動は一般的なスターターと違って超絶にスムーズでいつの間にやら火が入ってる。アクセルを踏み付ければ直6らしい振動知らずの洗練された感覚で吹き上がっていくが、回転域に応じてモーター→スーパーチャージャー→ターボとシームレスにバトンタッチしながら強烈なパフォーマンスを見せつける。ジェントルなのに恐ろしいほどの速さ。今まで経験したことのない加速感には感動を覚えた。古典的なクルマ好きが絶賛する直6と最新のISGが出会って異次元のドライビング・プレジャーを生み出したのだ。
最先端の高性能セダン 高平高輝
速さだけでなく、現代的な洗練度も併せ持つEクラスの新顔。「AMG53」は、ほぼ20年ぶりに復活した直列6気筒エンジンばかりでなく、48V電源で駆動されるISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を備えたいわばマイルド・ハイブリッドのパワートレインを搭載していることが特長。その上電動スーパーチャージャーによってターボが苦手とする低回転域を補うという、いわば全部載せの贅沢パワーユニットである。直6ターボの「M256」は、S450用より強力な435psと53.0kgmを発生、AMGらしく排気音は精悍で、始動する際も一度大きく吼えるものの、その後は500rpmのアイドリングにスルリと落ち着く。
回転フィーリングは6気筒らしく非常に滑らかだが、音はやんちゃな武闘派という、ちょっと変わったユニットだ。足回りもはっきりと締め上げられており、ステアリング・レスポンスも鋭いが、スポーツ派にはむしろ望むところだろう。最新鋭の運転支援システムはもちろん完備。高効率ユニットを秘めた極めて現代的な高性能セダンである。
パワーとジェントルの両立
〔読者コメント〕
エンジンがスムーズ。(田渕貞吾さん)
スポーティかつサルーン的な乗り心地の良さ。快適性とスポーティのバランスが良い。(大屋建さん)
とんがり過ぎないスポーティさがむしろ知的。4MATICでも旋回は得意でした!。(高橋晃一さん)
セダンでありながらスタート時のホイールスピンの挙動の乱れがまったくなく驚きました。(中向恵一さん)
見た目は普通のセダンなのに音と走りはスポーツカー以上。(川上肇さん)
AMGならではの安定感。何もかもが強力なのにスムーズで滑らかなのに驚いた。(一木太郎さん)
速いのは当たり前ですが、シフトチェンジの演出はピカイチ。レーシーな気分にさせてくれます。(三縄将大さん)
2トン以上あるが、軽く感じる。(小山直城さん)
メルセデスAMG E53 4マティック・プラスの解説&走行動画はこちら
43と63の間に位置するメルセデスAMGの高性能新シリーズのセダン・モデル。新開発の直列6気筒ターボ・エンジンにISG(インテグレート・スターター・ジェネレーター)、電動スーパーチャージャーを組み合わせ、48V電気システムや可変トルク配分を行う最新の4駆システム、4マティック・プラスなどを搭載。3ℓ直6の最高出力は435ps/6100rpmで、最大トルクは53.0kgm/1800-5800rpmを発揮。9段ATを介して4輪を駆動する。
全長×全幅×全高=4950×1850×1450㎜。ホイールベース=2940㎜。車両重量=1980㎏。車両価格=1226万円。

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写真=神村聖

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