2019.03.20

CARS

水平対向4気筒ターボは365ps。完成度の高いケイマンGTS

〔スポーツ編#09〕Porsche 718 Cayman GTS/ポルシェ718ケイマンGTS
非の打ちどころがない 金子浩久
718ケイマンのトップモデル、718ケイマンGTSは非の打ちどころがないスポーツカーだ。718シリーズにモデルチェンジしたケイマンが搭載することになった水平対向4気筒エンジンは365馬力ものハイパワーを発揮しているから、加速性能に不足はまったくない。ミッドシップ・レイアウトがもたらすハンドリングは絶妙かつ精妙で、どんな小さな挙動もすべて手の内にある。かといって、取り扱いが難しくなく、快適性も犠牲にしていないところは現代のポルシェそのものだ。引き締まってはいるが、ショックや振動を良く吸収するサスペンションは長距離連続走行も苦にならない。
オプションでACCを装備すれば、ロングドライビングの安全と身心の負担の一部を肩代わりしてくれるのは現代のスポーツカーならではだ。SIMカードも備わっており、コネクティビティも万全。車内でインターネットを使うことによって、時間を有効に活用することができるのも、"知能化されたスポーツカー"というポルシェが進む今後の姿をリアルに示していた。
全然危うくない 藤原よしお
とにかく乗った瞬間からステアリング、そしてお尻を通じて感じる密度感が圧倒的。自分の脳内でイメージしたラインをスパッとトレースできる正確で麗しいコーナリング、ピッチングやロールを上手く抑え込みながらもちっとも腰が痛くならない乗り心地の良さを両立させた脚の締め上げ方は、当代一の絶品と断言できる。特に走行モードをスポーツにした時の"ピント"の合いっぷりは、誰かれ構わず捕まえて自慢したくなるほど。またデビュー当初は"味わいがない"などと言われた4気筒ターボも、レスポンス、パワー、サウンドともに悪くない。いや、むしろ積極的に良い!
アルピーヌA110が出てきた時は「すわっ、ケイマン危うし」と思ったけれど、間違いなく杞憂。ケイマン、全然危うくない。というか毎日実用に使って存分に楽しんで、10年後も同じ鮮度を保って味わえるのは、きっとたぶんコチラの方。今年は914の誕生からちょうど50年に当たる年。半世紀をかけミドシップ4気筒を仕上げてきたポルシェの執念と底力は一度味わう価値アリ。
2.5ℓであの音、あの走り

〔読者コメント〕
ポルシェならではの安定感。NA6発も良いが、4発ターボもありだと思った。(菅沼幸博さん)
力強い音がリッチな気分に。(長藤貴世江さん)
981に乗っていましたが、安定感が強いと思う。(宇佐美雅也さん)
スポーツカーの王道。(菅沼育子さん)
コーナーでまったく破綻しない安心のハンドリング。(藤本治生さん)
ボディ剛性が高くブレーキもよく効く。コーナーも気持ち良く曲がる。(礒野秀樹さん)
MRのポルシェとして911を超えるほどの運動性能を体験。ピーキーさがなく乗りやすい。(H.W.さん)
素晴らしい脚。滑り出しの感覚がポルシェなのでしょうか。ポルシェってホントにポルシェだった。(乃美浩一さん)


ポルシェ718ケイマンGTSの解説&走行動画はこちら
水平対向4気筒ターボを搭載する718ケイマン・シリーズに追加されたハイパフォーマンス・モデル。フロント・スポイラーやホイールなどのカラーがブラックになって精悍になったほか、普通はオプションとなるPASMやトルクベクタリングのPTV、スポーツ・クロノ・パッケージなどが標準装備となる。2.5ℓフラット4DOHC16バルブ・ターボは、最高出力=365ps/6500rpm、最大トルク=43.9kgm/1900-5000rpmを発揮。パワーはSより15psアップしている。
0-100㎞/h加速は4.6秒。全長×全幅×全高=4385×1800×1286㎜。ホイールベース=2475㎜。車両重量=1375㎏。車両価格=999万円。

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写真=神村聖

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