無印良品で知られる日本の良品計画が内外装を手掛けた全自動運転シャトルバス「GACHA (ガチャ)」が、フィンランドで実験走行のイベントを行い、大きな話題となっている。公道でドライバーのいないクルマの自動運転が認可されている同国は、厳しい気候ゆえ、風や寒さに弱い自動運転のクルマを試すのに相応しい環境だ。それゆえ様々なグループが、自動運転の走行テストを行っている。
良品計画にデザインを依頼したのは、同国のベンチャー企業であるセンシブル4。良品計画が行っている、地域に密着した取り組みで採算性の低い道の駅を再生させるプロジェクトや、今後のシェアモビリティに対する考え方に共鳴してのこと。センシブル4は長さ4・5m、幅2・4mの全自動運転シャトルバスのプラットフォームを既に準備しており、それに載せるボディを求めていた。
生活用品を中心に扱っており、カーデザインの経験のない良品計画だが、「家電製品の延長のイメージでデザインができた」と、企画デザイン担当部長の矢野直子氏。目指したのは、「愛らしい」形だ。できあがったシャトルは、どこか懐かしさを感じるもの。運転席が無いので、小さなサイズだが16人も乗車できるから驚きだ。全自動運転ゆえドライバーのために道を照らすヘッドライトは不要で、目が2つある「顔」は存在しない。こうした意匠よりも、注目すべきは運用の提案だろう。「過疎化、高齢化が進む日本の地方において、公共の交通手段として利用できるのはもちろん、内装を変えて図書館としたり、生活用品などを販売する移動店舗としたりすることも可能では」と、矢野氏。良品計画ならではの興味深い発想だ。
実は筆者は、全自動運転のクルマは、ドライバーから運転の楽しみを奪う悪者ではないかと思っていた。ところが良品計画の提案したシャトルは、今の社会が抱える問題を解決する大きな可能性を秘めている。GACHAのある未来がちょっと楽しみだ。
文=ジョースズキ(デザイン・プロデューサー)
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