BMWはドライバーズ・カーだ。セグメント、ボディ・タイプを問わず、運転席が特等席。今回試乗したBMW750LixDriveはフラッグシップ・サルーンだが、もちろん例外ではない。パワフルなエンジンもさることながら、トランスミッションの存在をまったく感じさせないシームレスなドライブ・フィールが滑らかで気持ち良い。でも、さらに印象的なのは、フラット・ライドで驚くほど乗り心地が快適なことだ。一方、ワインディング路を走ればキュッと締まったステアリング・フィールでクルマがリニアに反応、ロング・ホイールベースを感じさせないフットワークなど「駆け抜ける歓び」もある。
しかし、今度の7シリーズは後席もシートのホールド感、広さ、乗り心地、静粛性のどれをとっても極上。試乗モデルのインテリアにはコニャックという明るいベージュのナッパレザーが使われ、さらにラグジュアリー度を増していた。ドライバー・シートと同じくらい特等席なのだ。何とも快適な移動空間を味わっていたら、運転手付きで欲しいなんて、身分不相応なことを思ってしまったほどだ。運転支援システムを使えば、高速道路でのハイスピードでもピタッとレーンの真ん中をトレースし、インフォテインメントの「コネクテッド」は音声やジェスチャーで様々な機能を使えるなど、非常に賢いクルマでもある。
文=佐藤久実 写真=ビー・エム・ダブリュー
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