エンジン・ホット100の第5位はマクラーレンのスーパー・スポーツカー、720S。昨年の3位から5位へランク・ダウンしたもののその魅力は衰えていないと、12人の委員が票を投じた!
昨年、HOT100常勝のポルシェ911GT3および911に追いすがり、惜しくも3位となったマクラーレン720S。とはいえ1位に選出した委員の数が最も多かったり、派生モデルのないほぼモノ・グレードでありながら多くの票を集めるなど、注目すべき1台であったことは間違いありません。
今年はユニークな「透明度が調整できるグラス・ルーフ装備」(小川フミオさん)の720Sスパイダーも登場。昨年同様1位に選んだ私、本誌ウエダとしましては、いよいよポルシェ911勢に一矢報いる時が来たかと期待したのですが、残念ながらアルピーヌA110、ジャガー・Iペイス、プジョー508といった新興勢力に破れ、そして911GT3にも、わずかにおよばず5位と相成りました。
配点を見返してみると、票を投じた委員は911GT3と同じ12人で、これは上位10台で最も少ない数字。しかも上位4台の配点は数字にかなりばらつきがあるのに対し、720Sは10点より低い点数を入れた人は誰もいません。つまりこれ、ほかのクルマたちに比べ、数少ない委員たちが軒並み高得点を入れていることを意味しています。しかもその中には、レース経験の豊富な面々が結構いたりするのです。
「サーキットでは"柔さ"も"逃げ"もない剛性感のかたまりが正確な動きを示す」(桂伸一さん)、「カーボン・コンポジットのモノコック・ボディの堅剛さ。2次振動を感じさせず強固」(松田秀士さん)など、まずその車体が高く評価される一方で、「レーシングカーにナンバー付けて走っているようなソリッドさ、スピード、ハンドリング」(佐藤久実さん)、「ぶっ飛ぶような速さには脳内アドレナリンが溢れてしまう。この速さはやみつきになりそうだ。公道ではおとなしく走り、サーキットで楽しみたい」(清水和夫さん)と、その動力性能にはお墨付きが与えられています。
いっぽう「ただ速いだけじゃない。ゆっくり走っていてもクルマのクオリティがジワジワ伝わってきて乗り飽きない。毎日使える」(大谷達也さん)というコメントに代表される、この手のスーパー・スポーツカーとしては驚異的な扱いやすさも720Sの魅力です。
「レーシングカーのポテンシャルと、GTの懐の深さ」(藤原よしおさん)を併せ持つその理由の1つは「ビタッと決まるドライビング・ポジション、存外に快適な乗り心地」(藤野太一さん)があるからこそ。その結果、「素直な走りに終始」(山崎元裕さん)して、「機械と自分が融合したかのような、身体能力が飛び抜けて拡張したかのような、不思議な操縦感覚」が得られるのです。
また昨年は720Sを選んだ委員たちですら賛否が分かれたエクステリア・デザインですが、あくまでまず機能ありきの「華美な装飾や演出のない実力本位のクール・ビューティー」(藤原よしおさん)であり、「独特のエレガンスを湛えたスタイリング」(武田公実さん)は「類いのない個性」(小川フミオさん)と評価されました。「文字通りの"スーパー"カー」(藤原よしおさん)というコメントが、締めの言葉にふさわしいのではないでしょうか。
■全長×全幅×全高=4543×2161×1196㎜。ホイールベース=2670㎜。車両重量=1430㎏。ミドに搭載される4ℓV8ツイン・ターボは最高出力720ps/7000rpm、最大トルク78.6kgm/5500rpmを発生し、後輪を駆動する。車両価格=3338万3000円(720S)〜
文=上田 純一郎(ENGINE編集部) 写真=神村 聖
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