前回でお知らせしたように、79号車に最新のマルチドライブアシストユニット付きのAV一体型メモリーナビゲーション・システムを装着した。パイオニアのカロッツェリア・シリーズ最新モデルで、品番はAVIC-CZ901M。独自開発による高い自車位置精度を実現したナビや、ハイレゾ音源再生にも対応したオーディオに加えて、ドライブレコーダーや最新の先進運転支援機能も付いた、ハイテク・ユニットだ。ところが困ったことに、担当者はお恥ずかしながら、いまだにスマホさえ持っておらず、ガラケーを使い続けているデジタル機器音痴なのである。「来月までにはしっかり研究して報告したい」などと書いたものの、あまりに機能が多彩すぎて、とてもすべてを使いこなすには至っていない。ようやくナビとオーディオの基本操作を習得し、次にドライブレコーダーにSDカードを入れて、録画を始めたところで、まだとてもではないが全容について報告できる状態ではないことを、まずはお詫びしたい。とにかく、最新のカーナビがここまで進化しているとは知らず驚きの連続なのだが、とりあえず今月は、ここまで使っての感想をまとめておくことでお許し下さい。
まず、なによりも驚いたのは、マップの画面やテレビの映像の鮮明さが、カーナビというよりも明らかにAV機器というレベルにまで進化していることである。とりわけマップで感心したのは、その色使いが実にくっきりとしていて見やすいことで、これはカーナビの使い勝手を考えた時にとても大切な要素だと思う。
目的地の入力方法は、どのカーナビも大差ないと思うが、それでもいざ使ってみると、入力に対する反応が遅かったりして、もどかしくなるものも多い。その点、これはゴチャゴチャとしたスイッチが少なく、直感的に入力できる上に、反応もすこぶる速いから、気持ち良く使いこなすことができるのも有難い。
スイッチ類は下に並んだ7つのボタンだけで、後はすべてタッチ・パネルを使って操作する。中央のボタンを押すとまずはホームの画面。ナビの目的地を設定するには、その画面をスワイプして右側の画面に移動する。マップは配色がよく考えられていてとても見やすい。マップの拡大縮小も、詳細・広域のタッチ・スイッチのほかに画面をピンチアウト、ピンチインすることでも簡単に行なえる。驚くのは映像の鮮明さで、マルチレコーダーの映像はとても小さなカメラで撮ったものとは思えない。位置情報や速度まですべて記録される。映像が鮮明なのはむろんテレビも同様である。
案内を開始してからの画面はいろいろと選べるのだが、面白いのは左右2分割にして右側をマップ、左をカメラで捉えた実写映像にして、そこに緑色の矢印が表示されて行くべき方向を示してくれる方法だ。運転支援機能とも連動しており、前車との間隔や信号の位置もチェックされ、車線逸脱についても運転者に注意を促すようになっているらしいのだが、その使い方がまだよくわからない。それは今後の研究課題として、実写映像での道案内が可能なのは、やはり映像が鮮明であればこそのことだろう。カメラの映像は常時ドライブレコーダーに記録されているのだが、それを後から再生してみると、本当に鮮明に撮られているのに驚く。車内での会話も録音されているからうかつなことを喋ると記録に残ってしまう。SDカードの容量によって連続録画時間は異なるが、64GBの標準モードで14時間分は残っているという。さらに、衝撃を検知すると、登録アドレスに異常を知らせるメールを送るようにもできる。位置情報や車速も記録されているから、もはやすべての情報が丸裸になっているとも言えそうだ。しかも、このカーナビはどうやらパイオニアのシステムと常に交信していて、映像を含めた情報を交換しているらしいのだ。いやはや、最新のハイテクとはこういうものかと驚くばかりだ。今後さらに研究して、詳しく報告したい。
■79号車/ポルシェ911カレラ4S(996型)
PORSCHE911CARRERA 4S
購入価格(新車時) 340万円(1244万2500円)
導入時期 2017年4月
走行距離(購入後) 8万8071km(5686km)
文=村上政(ENGINE編集長) 写真=柏田 芳敬
(ENGINE 2018年4月号)
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