次の旅では、カンヌからモナコまで海岸線を走り抜けてみようか、はたまたステルヴィオ峠を超えてドロミティ山塊まで登ってみようか。そ んなことを考えながら自慢の愛車のドライバーズ・シートに腰を下ろす。「オーヴァーシーズ」を着けると、いつも旅に出たくなる。
モンブランを越え、石灰質の岩肌に覆われたドロミティ山塊を駆け上がるなら、上質なシルバーの中に際立った視認性を備えたクロノグラフがいい。モデルチェンジに際して新たに開発されたCal.5200は、ジュネーブシール取得の高精度。52時間というロングパワーリザーブも申し分ない。クロノグ ラフを使う時、第3世代からバヨネット式になったセイフティロックを外す際の操作感も心地よい。自動巻き。ステンレススティール。ケース直径42.5 mm。税別292万円。
モナコやニースからカンヌへ向けて走ると、目の前に拡がるのはアンティーブの海岸線。その海の青さに負けないほど、オーヴァーシーズのブルーダイアルは美しい。複雑に仕上げを変えた下地の上にブルーのガルバナイズをかけて、さらにブルーラッカーを何回も重ねる。こんな手間をかけたブルーダイアルは他にない。このブルーを存分に楽しむなら、シンプルな3針オートマティックがもっとも似合う。自動巻き。ステンレススティール、ケース直径41mm。税別202万円。
イタリア北部からアルプスに向かうと、そこには過酷なドライビングロードとして知られるステルヴィオ峠が待ち受ける。迫り来る48ものヘ アピンを前にして、敢えて選びたいのは最もエレガントな相棒だ。名機と呼ばれる超薄型自動巻きCal.1120に、永久カレンダー機構を重ねたエクストラフラットのエレガントなスタイリングは、逸る心をほんの少しだけ静めてくれる。 自動巻き。ピンクゴールド。ケース直径41.5mm。 税別944万円。
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深夜にふと思い立って、愛車オースチン・ヒーリー100のドライビングシートに身を沈めてみる。腕にはヴァシュロン・コンスタンタンの「オーヴァーシーズ」。このクルマで旅に出るとき、相棒はこの時計と決めている。1970年代に初めて登場したラグジュアリー・スポーツウォッチの中でも、初期の傑作のひとつとされる「222」の流れを汲むこのモデルは、年にオーヴァーシーズ=大海原を越えるという名を与えられ、よりヘビーデューティなスポーツウォッチへと生まれ変わった。
その傾向は2004年登場の第2世代でより強くなり、オーヴァーシーズはさらなるタフさを身に付けた。私の相棒は、16年にフルモデルチェンジした第3世代。先代のタフさはそのままに荒々しさが整理され、さり気ない風格とエレガンスを漂わせる表情へと生まれ変わっている。少しだけ年齢を重ねて、上質なドライビングフィールを好むようになった私には、新しいオーヴァーシーズは最高の旅の相棒だ。ブレスレットは インターチェンジャブル式になり、簡単にアリゲーターやラバーに交換できるから、旅先でドレスアップするようなシーンでも安心できる。
いつも迷うのは、どのモデルを連れて行くかだ。モナコからカンヌへの海岸線なら、海と空の色をそっくり吸い込んだようなブルーダイアル がいい。オーヴァーシーズのブルーは格別なのだ。落ち着いたシルバーダイアルのクロノグラフを腕にドロミティ山塊まで駆け上がるのも楽し そう。そう、オーヴァーシーズはいつも私を旅にいざなってくれるのだ。
#1 高い防水&耐磁性能/シースルーバックながら抜群の耐磁性能を誇るケースは15気圧防水(エクストラフラットは5気圧)。ムーブメント もツインバレルの新設計機だ。
#2 ストラップ交換も自在/第3世代オーヴァーシーズで最大の楽しみが、インターチェンジャブル式となったストラップ。数ある同様の機構の中でも、剛性感は群を抜く。
#3 自分好みにカスタマイズ/付属する3種類のストラップとは別に、ブティックでは好みの色を選んでオーダーすることも可能。納期は1週間〜。 税別4万4800円〜。
#4 視認性にも優れるダイアル/独特な表情を際立たせるのが、美しいラッカー・ダイアル。下地の処理を細かく変えることで、視認性とアニメーション効果を両立させている。
→ジュネーブ時計見本市2019#1 ヴァシュロン・コンスタンタン
→ヴァシュロン・コンスタンタン「フィフティーシックス」はシーンを選ばない。
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文=鈴木裕之 写真=筒井義昭(モデル)/近藤正一、沖田一真(静物) スタイリング=安部武弘 ヘア&メイク=masayuki(The VOICE) model=Philip Witts(donna) 撮影協力=JMM-CARS'
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