全世界で爆発的なヒットを記録したデビュー盤をノラ・ジョーンズが発表したのは18年前のこと。ピアノを弾いて癒し成分を含むジャジーな曲を歌う女性として人気を得たわけだが、ノラはセレブになりたいわけでも同じような音楽を続けたいわけでもなく、 自らの意志でどんどん枠組みからはみ出していった。
カントリー、R&B、オルタナテ ィブなロックまで、そのときどきでやりたいことをやり、カントリー楽曲をカヴァーするリトル・ウィリーズやローファイ・パンクな音を鳴らすエル・マッドモーなど友人たちと作ったバンドで遊んだりもしていた。“売れる”ことになど興味はなく、ただ音楽を自由にやって楽しみたいひとなのだ。
そんな彼女は2年前からジャンルの境界線を持たずに曲を作り、できたらすぐ配信するやり方を通している。そうして発表した7曲をまとめたのが昨年春の『ビギン・アゲイン』という作品だが、その後もニューオーリンズのバンド、タンク・アンド・ザ・バンガスのタンクとコラボした曲や、メイヴィス・ステイプルズをフィーチャーした曲を配信リリース。またブルーノートの 後輩キャンディス・スプリングスの新作にも参加した。
そしてつい先頃にはプスンブーツの2枚目のアルバム 『シスター』もリリースされた。プスンブーツは、デビュー前からの友人でノラにギターを教えたサーシャ・ダブソンと、ベーシストのキャサリン・ポッパーと共に約12年前に結成され、気が向いたときに地元のバーやライブハウスで演奏していたバンド。
3人ともギターを弾けばドラムも叩き、ヴォーカルもそれぞれがとる。ドラムなど3人とも特別上手くないのだが、それがむしろ味になっている。音楽性としてはカントリー とフォークとロックを行き来するもので、曲調とサウンドはいい塩梅に枯れていて、歌詞はときに辛辣だったりも。
5年半前の1作目はザ・バン ドやニール・ヤングらのカヴァー7曲とオリジナル5曲、ライブテイク3曲とスタジオテイク9曲という割合だったが、新作はオリジナル曲の数がカヴァーを上回り、全曲スタジオ録音によるものだ。つまり遊びで始まったバンドなりに本気度が増した印象。
ただスタジオ録音とはいえライブに近い感触の音で、飾りがまるでない。それこそが3人の拘りなのだろう。ノラは女3人で音楽を鳴らす楽しさを実感しているようで、それが曲と歌に表れている。肩の力を抜いて自由にやるほど輝く彼女らしい作品だ。
文=内本順一(音楽ライター)
(ENGINE2020年4月号)
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