JIS(日本工業規格)やISO(国際標準化機構)のダイバーズウォッチ規格制定に貢献するなど、本格的な潜水用時計の歴史に重要な役割を演じたのが日本のセイコーだ。そのセイコーが国産初のダイバーズウォッチを発表したのは1965年。今年はその55周年を記念して歴史的なモデルの復刻デザインと現代デザインにアレンジした各メカニカルダイバーズが「プロスペックス」に登場。ヴィンテージ・デザインと現代的にアップデートされた高品質が同時に楽しめるのがなんとも素晴らしい。新素材の「エバーブリリアントスチール」の初採用も注目の的だ。
オリジナルモデルのデザインを復刻。ムーブメントはダイバーズウォッチ専用の毎時3万6000振動、自動巻き8L55を搭載。エバーブリリアントスチール、 ケース直径39.9mm、200m防水。1100本限定。税別65万円。6月発売予定。
1968年に発売され、1970年に植村直己がエベレスト登頂に携行したモデルのデザインを復刻。ワンピース構造の防水ケースや4時位置リュウズも独特。ムー ブメントは自動巻き8L55を搭載。エバーブリリアントスチール、ケース直径44.8mm、300m防水。1100本限定。税別70万円。7月発売予定。
ここ日本では6月10日は「時の記念日」とされる。その制定100年を記念して特別仕様のGPSソーラーウォッチが登場。「セイコー アストロン」では初とな るグリーンセラミックのベゼルが新鮮だ。チタン、ケース直径42.8mm、20気圧防水。2000本限定。税別28万円。6月発売予定。
セイコー曰く「最大の特徴は、腕時計の外装素材としては世界最高レベルの耐食性を備えたステンレススチール素材『エバーブリリアントスチール』をケース部品に採用している点」。世界で初めて実用化されたという新素材をぜひ実感してみたいものだ。
毎年、完売必至の復刻モデルが55周年を記念して今年は3モデルとなり、豊作だ。いずれも忠実に再現されているが、気になるのは当時と同じく機械式で毎秒10振動のハイビートキャリバー搭載モデル。当然、ケース素材や防水性能はスペックアップ! 欲しい…。
文=菅原 茂(時計ジャーナリスト)/前田清輝(ENGINE編集部シニア・エディター[時計担当])
(ENGINE2020年5月号)
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