オーデマ ピゲの「ロイヤル オーク」やパテック フィリップの「ノーチラス」、そしてヴァシュロン・コンスタンタンの「オーヴァーシーズ」に代表されるラグジュアリー・スポーツウォッチ。これらのモデルは1970年代の誕生以来、世界中で絶大な人気を誇り、その人気は落ち着くどころか加速するばかり。
ステンレススティールケースのモデルにおいては注文をしても手元に届くのが数年待ちということも珍しくないほどだ。そして、昨年にはH.モーザーやA.ランゲ&ゾーネ、ローラン・フェリエ、ウルバン・ヤーゲンセンなど、ドレス系高級ブランドからも続々と新モデルが発表され、ショパールからは「アルパイン・イーグル」が復活するなど、ラグジュアリー・スポーツウォッチのカテゴリーは、ますます盛り上がりを見せている。
そんなラグジュアリー・スポーツウォッチの魅力は、なんといってもスーツにもマッチするエレガントなデザインと細部にいたるまで丁寧に作り込まれた仕上げの良さだろう。高精度な自社製ムーブメントも大きなポイントだが、やはり気になるのは外装だ。中でもブレスレットはケース(時計本体)と同じくらい気になるところ。
ケース同様に凝ったデザインにコマのひとつひとつまで施された美しい仕上げは、見る者を虜にするはずだ。そして、そうしたブレスレットに惹かれてで時計の購入を決める人も少なくないだろう。肌に寄り添い、そしてさりげなく主張するブレスレットは男性にとってかけがえのないアクセサリーにもなるはずだ。
1月に開催された「LVMH ウォッチウィーク ドバイ2020」にて発表されたウブロの「ビッグ・バン インテグラル」。「ビッグ・バン」では初めてケースと融合したインテグレーテッド メタルブレスレットを備えている。ケース同様にシャープなデザインに加えて、構成するコマの面取りがリンクし、しなやかな着け心地を実現している。ラグジュアリー・スポーツを知り尽くしたウブロならではのこだわりが光る。
ブライトリングのファンにとって待望の復活となったルーローブレスレットを採用した「クロノマット B01 42」も見逃せない。パイロットの必要とする計器としての腕時計というルーツを持つモデルだが、ルーロー(円筒形の意味)の名の通り、他にはない唯一無二とも言える円柱が連なるように構成されたブレスレットは機能性を追求して生まれたものだが、ラグジュアリーな雰囲気をまとっている。ルーローブレスレットのファンならずとも魅力を感じるはずだ。
2015年に復活した名門、チャペックからも初のラグジュアリー・スポーツモデルが誕生した。ドレスウォッチを彷彿とさせる上品な佇まいだが、やはり気になるのはブレスレットだ。人間工学に基づいて開発されたというケースと一体型となったブレスレットは着け心地もさることながら、ブラッシュ仕上げの中に浮かぶポリッシュされたセンターのコマがジュエリーのような雰囲気をもたらしている。ステンレススティールのケースとブレスレットとは思えぬ存在感だ。まさにスーツが似合うモデルと言えよう。
文=前田清輝(ENGINE編集部シニア・エディター)
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