2020.08.01

CARS

自動車ジャーナリストの大井貴之さんが運転の極意を学んだクルマとは

これまで出会ったクルマの中で、もっとも印象に残っている1台は何か? クルマが私たちの人生にもたらしてくれたものについて考える企画「わが人生のクルマのクルマ」。自動車ジャーナリストの大井貴之さんが選んだのは、有頂天だった大井さんの鼻をへし折った「ポルシェ911ターボ」だ。

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ツンデレな930ターボ

私の人生に大きく影響を与えたクルマと言えば、間違いなくポルシェ911ターボだと思う。なのだが、軟禁の日々はとてもヒマなので再確認の意味も含め昔を振り返ってみた。

1978年の12月から教習所に通い始め、免許証が交付されたのは1979年の1月末。もう、41年も前のことになる。教習車は当時の定番、コラムシフトのクラウンだった。目出度く免許を取得して初めて乗ったクルマは、KP61型スターレット。実はこのクルマも大井貴之の人生に影響を与えた1台だと言える。

昭和53年、1978年のことなので少なくとも50歳を過ぎていないと分からない話になってしまうが、そのTVCMが凄かった。現在で言えばヤリスやフィットにあたる小型ファミリーカーだったスターレットのコマーシャルなのに、オベ・アンダーソン率いるTTE(現在のTGRE)のラリー・ドライバーが未舗装のヘアピン・カーブを3台連なってドリフト! 最後は片輪走行になり転倒したとかしないとかが話題となった斬新(ワクワク)な内容だった。ラリーが大好きだった兄が、母親を騙して買わせた大井家のファミリーカーがそのKP61。搭載エンジンは1300ccのOHV。たったの72psだが、730kgの軽量ボディ、当時としては珍しかったラック&ピニオンのステアリング・ギヤボックス(トヨタ車としては2000GTの次に採用)、リアサスはリーフ・リジットではなく4リンク・コイル。

このクルマ、本当に楽しかった。100km/hまでの加速には多分7、8秒かかっていたと思うが、当時の私にとっては充分。何よりもクイクイ曲がる! 自由自在に操れるような気分にしてくれる、運転の楽しさを教えてくれたクルマ。コイツに乗っていなかったら……きっと人生が変わっていたと思う。

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